パルシステム連合会は、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者がいっしょになって公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より全国の産直産地でおこなっています。
今回の「こんせん牛乳 公開確認会」は、パルシステムのブランドキャラクター「こんせんくん」のパッケージでおなじみの「こんせん72牛乳」の産地、北海道根釧地区で開催しました。パルシステムからは組合員や職員ら42人、産地側からはこんせん牛乳の原料乳の産地である3つの農協(釧路丹頂農協、阿寒農協、釧路太田農協)の生産者の皆さん、牛乳を工場でパックするよつば乳業や生乳の受託販売をするホクレン農業協同組合連合会の皆さんら46人、合計88人が参加しました。
開会にあたり、釧路丹頂農協の植田晃雄組合長より、「約30年の長きにわたり牛乳を通じて交流していることを誇りに思う。北海道の厳しい自然の中で、酪農をここまで根付かせるのは大変な苦労があり、本州で愛されてきたことは大きな喜びです。今日は酪農に取り組む姿、懸ける想いを少しでもご理解いただければ嬉しい。また一方で参加者のみなさんの農業や食への期待・関心を伺って、いっそう相互理解を深めたい。」と歓迎の挨拶をいただきました。
産地からの発表では、72℃で殺菌するHTST牛乳の商品開発の経緯や産地の特徴、入植時代からの歴史などを説明。冷涼な気候が酪農に適していること、釧路管内は全国でもトップクラスの草地型酪農を実践しており、さらに飼料の自給率が高い産地であることなどがわかりました。また、生協側からも商品開発当時の苦労などが話されました。
翌日は阿寒郡鶴居村にある2ヶ所の生産現場を訪れました。清和農場では最先端のバイオガス設備による糞尿処理を中心に見学。尾田牧場では自給のグラスサイレージ(草を発酵させた貯蔵飼料)や搾乳機を見学し、こんせん72牛乳の生産の現場を体感しました。
会場でのまとめでは、監査人から「HTST牛乳だからこそ、より慎重に生産からお届けまで適温での管理が徹底されていることが確認できた。」「日本の農業を守らなきゃ、と考えるいい機会になった。」などの声が出されました。
パルシステム連合会 産直事業部の野村和夫部長は、「本来あるべき主人公である組合員が自発的に消費者の課題をとらえ、産地と関係を築くのが公開確認会の意義でもある。『一緒に』をポイントに、環境と調和した釧路の地でやっている農業を今後も応援したい。」と述べました。
最後に、釧路丹頂農協の滝澤義一専務から「どこを探してもこれほど信頼関係があるところはないと自負しています。開発当時の執念と情熱を次の世代に伝えていきたい。引き続きパルシステムのみなさんには消費者として支援してほしい。」との言葉をいただき、終了しました。
生産者との交流はもちろん、開発当時の思いなどへの理解も深まった公開確認会となりました。 |