ごはんづくりのNEW問答No.16
「フルタイムで働いていて、平日のごはん作りはそれなりに乗り切っているつもりですが、楽しめてはいません。自分のために、手軽だけどいつもとちょっと違うごはんを作って、おいしい!と楽しむ機会がほしいです。」(Kさん 40代)
手をかけなくても、
「いつもと違う」で味も気分も変わります。
今回の回答者
料理家 今井真実さん
ほんの少しの冒険心が味わいを変える
「フルタイムで働いていて、それなりに乗り切っているつもりです。」この一文から、あなたはきっと、お料理上手なのだと思いました。
それだけに、レシピを見なくてもさっと作れてしまい、食べたときにすべて自分の想像内の味になっているのかもしれませんね。それならば、いつもと違う方法でごはんを支度するのはいかがでしょうか?
ふだん行かない場所で買い物をしてみたり、いつもは買わない野菜やお肉の部位を選んだり。その素材から新しいレシピを探すのもいいかもしれません。
そして、思いもよらない味にしたいのであれば、基本調味料を変えることもおすすめです。
いつも使うメーカーを変えるということでもいいですし、味付けに使う調味料を変えることも有効です。
たとえば、しょうゆで味付けする料理を塩に変えてみる、ちょっぴり少しお酢をかけてみる。みそ汁も、赤みそや白みそを使ったり……ほんの少しの冒険心で、ずいぶん味わいが変わるはずです。
ハーブや果物、
器の組み合わせも楽しんで
そして、いつもの料理にハーブや薬味、果物を足すのはいかがでしょうか。
たとえば、刺し身もわさびだけではなく、からしを使ったり、しょうゆではなくぽん酢を添えたり、たっぷり大葉のみじん切りや小ねぎのみじん切りをのせて、さらにはごま油をかけても。
香りを重ねると、料理に立体感が出ます。お刺身、オリーブオイル、塩、少し酸味の効いた果物などの組み合わせもおいしいものです。
器を新調するのも良いですね。この器にはどんな料理が合うのだろう、と想像するのも楽しいです。
器と同系色の料理にしたり、真反対の色を合わせたり、料理の「色」を意識するだけで華やかでおしゃれな料理ができるようになります。
いつもと違うことをやってみるというのは、忙しいときにはストレスになりますが、余裕のあるときには刺激になるものです。今日はゆっくり食事を楽しめそう、という休日にぜひお試しください。
季節の果物を気軽に取り入れて
季節の果物を使えば、シンプルなサラダもぐっと華やかな見た目に。塩けのあるドレッシングを合わせても、果物と酸味と甘みが引き立って深みのある味わいになりますよ。