代表挨拶

代表理事 理事長 渋澤 温之
代表理事 理事長
渋澤 温之
代表理事 専務理事 辻󠄀 正一
代表理事 専務理事
辻󠄀 正一

2025年は、国連が定めた2度目の「国際協同組合年」です。同一名称の国際年が2回設定されるのは異例であり、国際社会からの協同組合に対する期待が表れています。さまざまな分野で頻発する諸課題を解決するための機能として、あらためて私たち協同組合の役割が問われています。

今年8月には、先の大戦の終結から80年の節目を迎えます。近年、世界ではロシアによるウクライナへの侵攻やパレスチナ問題をめぐる戦闘など、平和を脅かす行為が相次ぎ、核兵器が使用される懸念も高まっています。2024年12月のノーベル平和賞には、日本原水爆被害者団体協議会が選ばれました。平和を渇望する声をさらに広く、世界に届けなければなりません。

均衡が崩れつつある国際情勢は、深刻な災害を引き起こす気候変動とともに、私たちの生活へ暗い影を落としています。米国の関税政策による金融不安や、相次ぐ異常気象による農畜水産物の不作、不漁などによって物価は高騰し、家計をひっ迫させています。なかでも米の価格は、政府が備蓄米を放出してもなお高止まりが続き、先行きを見通すことができません。

ほかにも自然災害を誘発する気候変動対策や、プラスチック削減をはじめとする環境問題、貧困やジェンダーをはじめとする人権問題など、次世代へ先送りしてはならない懸案が山積しています。

これら諸課題は、政府の介入や利益追求の市場原理だけでは解決しません。人と人がつながり、困難に直面する一人ひとりに向き合う協同組合だからこそ、それぞれ立場を尊重した対処を図ることができます。穏やかで平和な生活を次世代へ引き継ぐため、助け合いの力による持続可能な社会を実現しなければなりません。

そのためにも、これからもみなさまとの連携をさらに深め、より強固な信頼関係を構築することが不可欠です。誰もが安心してくらせる社会をめざしてともに進んでまいりましょう。