■2HJのマクジルトン理事長を講師に迎えました

学習会の様子 |
学習会にはパルシステムグループの組合員や役職員など70名が参加しました。
講演に先立ちあいさつしたパルシステム連合会の唐笠一雄専務理事は「パルシステムが現在展開している『100万人の食づくり』運動でも、『もったいないプロジェクト』などを通じて食べものを粗末にしないことを訴えています。学習会を今後の活動を考える有効な場になってほしいと思います」と期待しました。
講演は、NPO法人「セカンド・ハーベスト・ジャパン(2HJ)」のマクジルトン・チャールズ理事長を招いて行われました。フードバンク運動は、包装不良などで販売できなくなった食品を食料確保に困っている人々へ提供する活動です。マクジルトン理事長は、2000年からフードバンク運動に取り組み、02年に現在のNPO法人を立ち上げ活動を続けています。
■安全な食品を確保できない人は75万人以上

講演するマクジルトン理事長 |
マクジルトン理事長はまず、日本の現状について「安全な食品を確保できない人は、少なくとも75万人以上おり、その多くは母子家庭や高齢者が占めます。今後、その数はさらに増えるでしょう」と説明しました。
こうしたなか2HJの活動は、公園での炊き出しだけでなく、3カ月間の限定で食品を提供する緊急配食センター、食品企業と支援施設の仲介などを行っています。08年の取扱量は850tに達し、5億1千万円に相当する食品を供給しました。廃棄されていれば9千2百万円の処理費がかかる計算になります。
企業から2HJへ提供される商品には、販売することはできないものの食品としての品質保証を求めています。食品は無償で引き取られ、無償で提供されます。現在では400社の企業が支援企業に名を連ねているそうです。マクジルトン理事長は「システムをどう利用するかは、企業や施設に委ねています。多くの利用があることで、どんな状況でも食べることができるセーフティーネットの構築をめざしています」と活動を紹介しました。
■質疑応答では具体的な質問が寄せられました
質疑応答では「商品のマッチング(仲介)がうまくいかないときはありませんか」「ボランティアはいろんな動機で参加していると思いますが、どのように調整しているのですが」など、具体的な質問が多く寄せられました。
質問に対してマクジルトン理事長は「食品を引き受ける際には必ず試食し、安全性とその内容を確認します。その上で使い切る分だけ提供してもらうことにしています。ボランティアには認定ボランティア制度を設けることで、より理解の深い人材を育成しています。いずれの場合も信頼関係がもっとも重要です」と話しました。
最後にパルシステムへの期待として「年越し派遣村での活動(※)を2HJで行うことも1つの選択肢だと考えます。提案を待つのではなく、まずは活動を見て判断してください。できることはあるはずです」と呼びかけました。
※年越し派遣村でのパルシステムの活動については、こちらをご覧ください
パルシステムは「年越し派遣村」へ食料品などを提供しました(2009年1月6日ニュース)
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