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東京都・大島町合同噴火災害総合防災訓練が行われました 目次に戻る

11月21日(木)
午前6時、大島元町港に到着。海は時化、気温は低く、港には自衛隊や警視庁の車輌が多く走り、緊張感がある。東京都手配のバスで、メイン会場の元町小学校に向かう。すでに訓練会場の準備は行われており、校庭の真ん中には、土砂崩れにより車輌が押しつぶされ、警視庁の特殊車輌や災害救助犬による捜索により、被災者を救出する想定で、車輌が2台置かれていた。

全体訓練の開始時間は8時10分に「町長から全地区住民に対する避難勧告発令」により始まる。私たちは開始までの間、自衛隊入間基地より緊急支援物資を受け取るため、大島空港に向かう。空港は多くの自衛隊員が受け入れ準備を行っており、報道陣も詰め掛けている。8時40分、自衛隊CI輸送機が到着。同機に同乗していた、東都生協職員を迎え、機内より緊急支援物資の残りを搬出する。
東京都トラック協会が手配した救援物資輸送車数十台が待機し、東京都の手配した、同じく緊急支援物資や警視庁や自衛隊の特殊機器を積み込み、島内の訓練会場に運び入れるため、警視庁の白バイが先導し、大島空港を後にした。

私たちは、タクシーで後を追い、メイン会場の元町小学校に戻った。
小学校ではすでに、当日の“主役”とも言える、地元防災組織・住民や地元高校の生徒が多く集まっていた。その後、救援物資輸送車を待ち、緊急支援物資を物資配布所にトラックから降ろし、東京都による数量確認を行い、我々生協が果す役目、緊急支援物資輸送訓練は終了した。

校庭に張り巡らされたテントでは、地元住民がアルファ米を使った炊き出し訓練、日本赤十字社による災害応急訓練、NTTドコモによるIT活用訓練(衛星を使った連絡訓練)、NTT東日本による同じくIT活用訓練(災害伝言ダイヤル171及びLモードを使用した安否確認訓練)、警視庁による特殊車輌展示や特殊車輌と災害救護犬による土砂崩れの車輌からの人命救助訓練、東京消防庁による起震車地震体験訓練、建物屋上からの救出訓練、自衛隊による簡易入浴施設(阪神・淡路大震災時にも活用された)の展示や簡易テントの設営訓練及び展示、輸血の緊急搬送訓練等が実施された。
この多くの訓練に地元防災組織・住民や子どもたちは積極的に参加し、10代後半と思われる若者がご年配の方々の手を引き、訓練に参加する姿が非常に印象深かった。まだまだ隣近所の付き合い(島全体の付き合いもあるだろう)が残る町内ならではの風景で、都会で訓練を行ったらこうもいかないだろう。事実、都心部での訓練はいかに、地元住民を巻き込み、自主的に活動してもらえるかが、大きな鍵となっており、近年の都が実施する防災訓練も「地域」が主体となっている。

この元町小学校の他会場では、岡田小学校会場と差木地小学校会場は元町小学校とほぼ同じ訓練の他に住民による初期消火体験訓練、溶岩流からの救出救助訓練、溶岩流冷却訓練。

老人ホーム・社会福祉施設会場では災害弱者避難誘導訓練、船舶による島外避難訓練。北の山小学校・波浮小学校会場では起震車による地震体験訓練。岡田港会場では船舶による島外避難訓練。元町港会場では巡視船舶による被害状況調査訓練、救出救助訓練、重症患者等後方医療施設緊急搬送訓練、船舶による島外避難訓練、溶岩流冷却及び消防団との連携訓練。波浮港会場では船舶による島外避難訓練、島外避難・誘導訓練、桟橋・岸壁警戒訓練。
大島空港新ターミナルでは緊急連絡体制確立訓練、大島空港対策訓練、情報共有訓練、指導基幹要員空輸訓練、避難島民の空輸訓練、支援物資緊急輸送訓練、緊急医療物資搬送・受入訓練、浄水セット空中機動訓練、消化ヘリコプター充水訓練。トウシキ園地ヘリポートでは偵察部隊空輸訓練、避難島民の空輸訓練、視察団災害地調査訓練、航空機及び車輌等のよる噴火訓練活動等調査訓練、衛星通信システムによる映像通信訓練。三原山山頂では孤立者の救出訓練。
千波会場では道路障害除去訓練。大島町役場会場では視察団災害対策本部運営訓練、現地指揮所訓練、非常通信訓練、パネル展示。東京都庁防災センターでは情報連絡訓練、参集訓練。入間基地では緊急物資輸送訓練。竹芝桟橋では緊急物資輸送訓練が行われた。
元町小学校では青山東京都副知事の講評、大島町長の講評、川島都議の講評が行われ、訓練が終了。最後に地元住民にコープさんま蒲焼缶が配られ、住民は帰途についた。
余談だが、私たちは「東京都生協連」と背中に文字の入った黄色いジャンパーを着て訓練に参加していたところ、地元住民から「生協の人?」と声を掛けられた。「私も生協に入っている。いつも助かっている」と話された。聞いたところ、コープとうきょうの組合員さんでコープとうきょうでは大島にも配達を行っている。私たちは丁重にお礼を述べた。

小学校を後にし、徒歩で大島町役場へ。東京ボランティアネットワーク及び三宅島災害・東京ボランティア支援センターの協力で開催している「三宅島災害パネル展」の視察と総務課を表敬訪問した。
町役場は島の中心地、元町の商店街の中ほどにあり、町民と当日訓練に参加した防災関係者が三宅島の悲惨な状況の写真を食い入るように見つめていた。

タクシーで今でも噴火活動を続ける三原山山頂に視察に出掛けた。

昭和61年の噴火の際、山の中腹の道路から溶岩が流れ出した「割れ目火口」をタクシーを降り、歩いて視察した。道路は溶岩で封鎖され、その上を遊歩道に活用している。現在の三原山登山道路は、この「割れ目火口」を大きく迂回して、新しい道路が建設された。又、噴火までは三原山登山の道路は、この1本しかなく、噴火を取材していた報道陣は、まさか中腹から溶岩が流れ出すとは思わず、山頂まで車で行ったために、避難の際は車を山頂に置きっぱなしにしたと言う。この教訓から東京都は三原山登山道路の他に登山道路を新設した。三原山の外輪山頂までタクシーで登り、間近で三原山を視察。いまでも噴煙が上がり、噴火の恐ろしさを感じることができた。



元町小学校校庭に用意された、救援救助訓練用車輌。


大島空港に到着した自衛隊CI輸送機。緊急支援物資や特殊車輌、浄水装置等、数多くの訓練物資が輸送された。


輸送機内より緊急支援物資を降ろす東協連災対メンバー。


空港に降ろされた「緊急支援物資」。この後、緊急物資輸送車に積み込みを行った。


東京都トラック協会が手配した「救援物資輸送車」。実際の災害でもこのフロントマスクをつけ、緊急輸送を行う。


多くの報道陣が取材に訪れ、東京都生協連の緊急支援物資を積み込む風景を取材している。


緊急物資輸送車には警視庁の白バイが先導した。訓練だが、本番並みの緊張感が漂う。


元町小学校に搬送された緊急支援物資。東協連メンバー、東京都トラック協会職員、東京都職員が一斉に荷降ろしを行った。


東京都生活協同組合連合会の看板が掲げられた、緊急支援物資受入場所。東京都職員が個数を確認し、東京都に受け渡した。


地元住民による、アルファ米を使った炊き出し訓練風景。緊急支援物資とともに地元住民に配布された。


元町小学校庭より三原山を望む。昭和61年の噴火の際は、この近くまで溶岩が襲った。


警視庁特殊車輌による、車輌からの救出・救助訓練。災害救助犬とともに被災者の捜索、救出を行った。


緊急支援物資を配布する東京都職員。


講評を述べる、青山東京都副知事。背景は三原山。

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