この電気は どこから来たの?
#地球にやさしいエネルギー #電気をつくる産地
ふだん口にしている
食べ物の産地がつくる
サステナブルな電気。
地球にやさしい。けれど
そこにある思いは強く、
ゆるぎないもの。
未来を変えていくために
みんなで一歩、進もう。
知ってた? 鶏ふんが
電気になること
#十文字チキンカンパニー(岩手県)
#ゼロから始めたチャレンジ
パルシステムで『までっこ鶏』の産地としておなじみの、十文字チキンカンパニー。鶏をのびのびとした環境で健康に育てながら、長年、資源を大切にすることにもこだわってきました。
発生する鶏ふんは、1日に約400トン。その多くを、飼料用米を含む田畑の堆肥として活用してきました。しかし2011年の東日本大震災が、鶏ふんの新たな用途を切り拓く大きなきっかけとなりました。
原発に依存するエネルギー供給の不安定さを目の当たりにし、「東北の地で生きる者として、何ができるか」。たどり着いた結論は、再生可能エネルギーのひとつ、鶏ふんを活用したバイオマス発電事業への参入でした。
立ち上げメンバーが発電について“一から学ぶ”ことから、プロジェクトが始動。電気の売り先は、複数の申し出が上がるなか、パルシステムの子会社であるパルシステム電力に決定しました。
『までっこ鶏』を通じて築き上げてきた関係性こそが、決定の理由となりました。そして2014年の発電所の着工から、山積みだった課題を一つひとつ乗り越え、2016年11月3日、ついに電力の供給がスタート。
火力や原子力のほうが発電量が大きく、効率もよいかもしれません。それでも、顔の見える関係のなかでつくられた、安心できるエネルギーであるということは、大きな意義があるはずです。
お米も電気も
おんなじお水から
#野川土地改良区(山形県)
#始まりは産直米
雄大な山々に囲まれ、雪解け水に恵まれた山形県は、日本有数の米どころ。県南部に位置するJA山形おきたまとパルシステムは、産直の創世記のころから、お米を通じて関係を築いてきました。
豊かな水源がある一方で、川の氾濫をたびたび乗り越えてきた歴史もあります。2011年に長井ダムが完成し、水路の環境が改善。時を同じくして起こったのが、福島第一原発の事故でした。
山形にも、福島からたくさんの人が避難してきたといいます。「何か力になりたい」と始めたのが、ダムから引いた水路を活用した「野川小水力発電所」でした。電気をつくり出した水はそのまま田畑を潤し、お米を育みます。
パルシステムとJA山形おきたまは、お米で育んできた信頼と絆があったことから、パルシステム電力との取り引きが決定しました。電気という新しい形の「産直」が生まれたのです。
同じ置賜(おきたま)地域には、「東北おひさま発電」という発電産地があります。肉用牛としては日本で初めてとなる、牛ふんを活用した地産地消のバイオガス発電や、太陽光発電、小水力発電を行っています。
置賜地域は2025年、国の「脱炭素先行地域」に選定され、地域をあげてエネルギー問題に取り組んでいます。そんな産地で育まれたお米を食べることも、地域全体の応援につながっています。
Watch & Learn
ちょっとフカボリ
米どころ「JA山形おきたま」ってこんなところ
しいたけ畑には
エコが詰まってる
#森のソーラー(茨城県)
#畑も原木もフル活用
JAつくば市谷田部産直部会の生産者、高橋恭嗣(やすし)さん。原木栽培しいたけを長年作り続けるかたわら、(株)森のソーラーの代表として、CO2排出ゼロをめざしさまざまな挑戦をしています。
高橋さんは40年以上前から、使い済みの原木(ほだ木)を、電気やガスを使わないバイオマス暖房機で活用しています。環境への意識を持ち続けていたなか、2011年に起きた福島第一原発の事故を機に、発電事業に取り組むことを決意。
その方法が、畑で作物を育てながら、上部に設置した太陽光パネルで発電をする「ソーラーシェアリング」でした。パネルが日差しを遮るため、ハウスで栽培することが多いしいたけは相性がよい作物です。
しかし、導入するためには、煩雑な書類の申請という、高橋さん一人ではむずかしい大きな壁がありました。そこで、取り組みに共感したパルシステム茨城(現パルシステム茨城 栃木)が、その作業を一手に引き受けることに。
二人三脚があったからこその今。「産直しいたけの縁のおかげですね」と高橋さんは話します。さらに2023年からは、ほだ木を使った「バイオ炭※」の製造も始め、発電にとどまらない取り組みを進めています。
年々、厳しさを増していく猛暑。畑で作物を育てる生産者は、危機感を肌で感じています。「産直」は、その思いから生まれる挑戦を支え、いっしょに進んでいくためのつながりです。
※農地の土壌に埋めることで土中に炭素をとどめ、大気に放出されるCO2を削減し「カーボンマイナス」をめざす取り組み。
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