人の手から人の手へ 手渡したいもの
#守りたい伝統 #文化を次世代につなげる
土地の歴史や
暮らす人の思いが
ゆるやかに、脈々と
編み込まれてきた
伝統と文化。
地域とつながることは
いっしょに受け継ぐ
担い手になることです。
新年を彩る
手作りのしめ飾り
#JA新潟かがやき(新潟県)
#匠の技の「縄ない」
「産直米」の始まりの地である、新潟県阿賀野市のささかみ地区。旧笹岡農協(現JA新潟かがやき)とパルシステムは、国の政策によってお米の直接取り引きができなかった時代を、しめ飾りを通じてともに乗り越えてきました。
1970年以降、減反政策によるお米の生産調整で、産地では稲が青いうちに刈る「青刈り」を強いられていました。それを目にした組合員が「もったいない」と涙。1984年にしめ飾り作りが始まり、お米に先駆けて取り引きが始まりました。
地域では、稲わらを編んでひもや俵にする「縄ない」があたりまえのように行われてきました。結成された「しめ縄部会」のメンバーは約60人、平均年齢71歳。田仕事がない冬の間や、農業の一線を退いた人の手仕事となりました。
しめ飾り作りは、お米の産直が始まってからも続き、今では25年以上作り続けている生産者も。毎年組合員からは、感謝の年賀状が届くといいます。そうした「顔の見える関係」が、作り手のやりがいにもつながっています。
いっぽうで、担い手不足にも直面しています。若手のメンバーも巻き込みながら、小学校での出前授業や、産地ツアーでの体験学習など、縄ないという伝統技術そのものを伝え、広める活動も大切にしています。
手作業で一つひとつ、ていねいに編まれるしめ飾り。そこには産直の歴史と、受け継がれてきた技術が詰まっています。地域を豊かにする伝統文化を、次世代に手渡していけるよう、産直の力であと押ししていきます。
Watch & Learn
ちょっとフカボリ
「JA新潟かがやき」って
どんなところ?
役者と農家、
二足のわらじ
#JA佐渡(新潟県)
#文弥人形を次世代に
新潟県の佐渡島で、重要無形民俗文化財として受け継がれている人形芝居「文弥人形」。ひとりが一体の人形を操り、三味線の音色に合わせてダイナミックに舞い踊るもので、大衆娯楽として広く親しまれてきました。
現在島内にある人形座のなかでも、もっとも大きな規模を誇るのが「野浦双葉座」です。1979年に8人の有志によって発足して以来、今も島内外で公演を重ね続けています。
座員の大半を占めるのが、産直米 『トキを育むお米』 の生産者。トキと共生する里山を守るため、化学合成農薬の削減や、えさ場となるビオトープ作りを行いながら、環境にやさしいお米を栽培しています。
座員たちは、農作業のかたわら稽古を積んでいます。老いも若きもみんなで集まり、汗を流して芸を磨く場によって、地域の絆も強まっていきます。しかし、かつては島内に40以上あったという人形座も、現在では10に満たない数に。
稲作とともにあった文弥人形。農業の担い手が減り、田んぼが減りゆくなかで、伝統芸能の継承も大きな課題となっています。田んぼを守ることが伝統を守り、伝統を守ることが田んぼを守ることにもつながっていくのです。
お米を通じた産直のつながりがあるからこそ、パルシステムでは、野浦双葉座を関東に招いて公演を行うなど、文化を紡ぐ交流も行ってきました。「食べる」にとどまらない取り組みは、地域に根付いた大切な伝統を守りつないでいきます。
Watch & Learn
ちょっとフカボリ
「文弥人形」を見てみよう
産直と伝統の
コラボレーション
#宮崎てげうめぇ会(宮崎県)
#圧巻の大根やぐら
干し大根の一大産地である宮崎県。巨大なやぐらに大根が丸ごと干されている風景は、この地域に根付く冬の風物詩です。パルシステムは2022年1月にこの地と産直提携を結び、『伝統のやぐら干し・産直大根ぬか漬けたくあん』が生まれました。
大根は、宮崎てげうめぇ会で育てたものを使用。やぐらの組み立てや、干す作業はすべて人の手で行い、約2週間かけて干し上げます。うまみが凝縮した大根は、外はパリパリ、中はふわふわ。それを県内のキムラ漬物宮崎工業(株)で漬け込みます。
アクセントで加えている柿の皮は、産直産地の大紀コープファームで、これまで廃棄されていたものを有効活用。伝統のやぐら干しと、別地域の産地との連携が生んだ味わいです。
産直提携を結んだことで、組合員が産地に訪れるなど、交流の機会も生まれました。自分たちが受け継いできた文化や伝統を知ってもらう場は、生産者にとってもうれしい刺激になります。
産地同士の横の連携や、食べる人と作る人のつながりを新たにつくっていくことも、産直の役割のひとつ。そこから生まれた一人ひとりの「食べたい!」の気持ちが、伝統を守ることにつながっていきます。
このストーリーはいかがでしたか?