ごはんづくりのNEW問答No.33
「育ち盛りの中学生と小学生の子どもがいます。たんぱく質多めの料理を作っているつもりですが、これで足りてる? 筋肉ばかり増えて背が伸びないのでは? と不安です。」(Mさん 40代)
健やかな成長に大切なのは
栄養バランスと運動です
今回の回答者
スポーツ医学者 森谷敏夫さん
「筋肉がつく=背が伸びなくなる」は誤解です
まず、たんぱく質をとればそれだけで筋肉が増えるというわけではありません。筋肉というのは、たんぱく質をとったうえで、運動という刺激があって初めて作られます。どちらかだけでは意味がないのです。これは大人も同じで、一日中椅子に座ったままプロテインだけとっていれば筋肉が大きくなるかというと、これはもう全くなりません。
そして小学生や中学生くらいの年齢であれば、筋肉を大きくする男性ホルモン(テストステロン)がしっかり出る前の時期です。どんなにたんぱく質をとってトレーニングをしたからといって、筋肉ばかりがムキムキ増えるという心配はありません。
よく「筋肉がつきすぎると背が伸びなくなる」と言われますが、これも思い込み。男性の場合は、成長期で背が伸びきって大人に近づく時期と、男性ホルモンが出て筋肉がつき始める時期が重なるんですね。そのため「筋肉がついたら背が伸びなくなった!」と思われがちなのですが、因果関係はないので安心してください。
献立の黄金比は
「炭水化物6:たんぱく質2:脂質2」
食事で大切なのは、栄養のトータルバランスを意識することです。1日のエネルギー比でいうと、私は「炭水化物60%、たんぱく質20%、脂質20%」の「6:2:2」をすすめています。
身長を気にされるなら、骨の成長を助けるカルシウムも大事です。野菜のカルシウムは20%程度しか吸収されませんが、牛乳などの乳製品なら約40%が体に吸収されます。ぜひ、朝食に牛乳やヨーグルトをプラスしてみてください。
最後に、成長のために何より重要なのが「運動」です。運動をすると骨からオステオカルシンという、体の成長や脳の機能を助けるホルモンが出ると言われています。
食事だけで体を作ろうとせず、しっかり体を動かして、おなかを空かせて、バランスよく食べる。このサイクルを作ってあげることが、お子さんの健やかな成長を引き出す一番の近道ですよ。
今回の回答者
スポーツ医学者
森谷敏夫(もりたに・としお)さん
京都大学名誉教授、中京大学客員教授。専門は応用生理学とスポーツ医学。生活習慣病における運動の重要性を説き、炭水化物の摂取と有酸素運動を推奨している。著書に『結局、炭水化物を食べればしっかりやせる!』(日本文芸社)、『おサボリ筋トレ』(毎日新聞出版)など。