パルシステムごはん部

ごはんづくりのNEW問答No.25

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2025.9.12

「会社員の夫と大学生と中学生の息子、それぞれの帰宅時間がバラバラで、1日に何度も夕食を用意することになるのが悩みです。遅い時間に何回もパスタをゆでたり、食洗機をいつ回すか考えたり……。また、栄養バランスのよいものをおいしく食べてほしいのですが、どんな献立にすればよいでしょうか?」(Cさん 40代)

A -anser-

夕食のシステムをひと工夫!
作り手の負担を減らしましょう

今回の回答者
自炊料理家 山口祐加さん

“バラバラごはん”を助ける献立術って?

帰宅時間が違って何度も夕食を用意しなくてはないないとのこと、読んでいるだけでとっても大変そうだな……と思いました。毎日本当にお疲れ様です。まずはご自身を労ってくださいね。

家族全員の生活スケジュールにばらつきが出てくると、そのことも考慮して料理しなければならないですし、温め直してもおいしく食べられる料理となるとメニューも絞られてしまいますよね。

それに加えて、台所で黙々と家族のために料理したのに、食べる時間もバラバラなんてコミュニケーションが少なくて悲しい……と私なら思ってしまいそうです。

とはいえ、まず必要なのは具体的な対策です。作る側にも負担がなく、食べる側も満足できる料理を考えてみるのはいかがでしょうか。

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仕上げはまかせた!でもいいんです

たとえば、カレーはお肉や野菜がとれて満足感もあり、さめても温め直せばおいしく食べられる料理の定番です。シチューやハヤシライスも同じ汁かけご飯として優秀な料理だと思います。そのほかにも豚汁をはじめとした具だくさんのみそ汁や野菜スープ、さめて味がしみるとおいしくなる煮物もおすすめ。

野菜をベースにお肉や魚をホイルで包んで焼くホイル焼き(または蒸し)も、1人分ずつ包んで用意しておけば、食べる人が自分で加熱調理して、熱々のできたてを食べてもらうこともできます。個包装もされているので、用意だけしておけば食べる人が自分で加熱調理すれば熱々の出来立てが食べられます。

こうしたメニューの工夫に加えて、作った料理の温め直しや、ホイル焼きを火にかけたり、パスタをゆでたりといった簡単な加熱調理、お皿洗いに関しては、家族それぞれが自分でやる方がよいと思います。

そうすれば、家族一人ひとりに自炊力がつきますし、一人で暮らすことになったとしても、料理に関して一歩進んだ状態で暮らしが始められるからです。それから、「あとは火を通すだけだから、私は友達と出かけてくるね」なんてこともできるわけです。

作る側の悩みを少しでも減らして、作る人も食べる人も機嫌よくいられることが一番大事ですね。

Hint!

ポルトガルの作りおき「海鮮雑炊」

2024年度に世界12ヵ国の家庭料理を取材する旅をしていました。旅の中でも、たくさん作って数日に分けて食べる料理にたくさん出会いました。たとえば、ポルトガルの海鮮雑炊は、玉ねぎやピーマン、トマトなどの野菜を味のベースに使っていて、イカやエビなどのたんぱく質が入り、炭水化物のごはんが全体をまとめてくれる合理的でとてもおいしい料理です。その他にもペルーのシチューかけごはんやイタリアのミネストローネなども今回ご紹介した料理の仲間だと思います。

今回の回答者
自炊料理家
山口祐加(やまぐち・ゆか)さん

自炊料理家。書籍執筆や講演活動などを通じて、自炊のある豊かな暮らしを提案している。著書に星野概念さんとの共著『自分のために料理を作る: 自炊からはじまる「ケア」の話』(晶文社)など。

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