ごはんづくりのNEW問答No.22

「家族のなかでごはんを作るのが自分だけなので疲れます。世間の『おふくろの味』という言葉もプレッシャーに……。本当は料理を前向きに楽しみたいのに、苦手意識や、押し付けられ感でモヤモヤ。どんな心持ちで料理に臨めばよいでしょうか。」(Aさん 30代)
あなたは本当にえらい!
まずは自分をほめてあげてください

今回の回答者
料理家 今井真実さん
「料理」って、ただ作るだけじゃない
いやいや、それは疲れますよ! 家族のなかで作るのはあなただけ……今の状況では料理を楽しめなくても何ら不思議のない状況です。あなたは毎日とってもがんばっていますよ。本当にえらい!まずは、自分をほめてあげてください。
「料理」って、ただ作るだけではないじゃないですか。まず買い物をして、それも栄養バランスや予算も考慮しますし、迷いながらですよね。
そしてやっと何を作るか決めて、一生懸命料理して、後片付けをして。それを自分だけのためではなく、家族のためにも作って……反応も気になっちゃいますし!
どうしても、モヤモヤしますよね。負担もすごいのに、「おふくろの味」だなんて、うっすらクオリティも求められる。たとえ外食やテイクアウトでも、結局何を食べるかを考えるのは私たちですよね。

ときには声に出して、自分を労わって
私もときどき夜ごはんを作っている最中に、辛くなる瞬間があります。そもそも夜ごはんを作っているときって1日でいちばん疲れているし、焦っているから心がささくれ立っているんですよね。
逆に私にとって料理が楽しいのは、休日の午後過ぎに何か煮込み料理を仕込んでいるとき。時間に余裕があって、のんびりと鍋の中をのぞいて、その香りに幸せを感じます。それは料理以前に、すでに心が穏やかでいるからです。
今あなたはもうこれ以上自分に何かを課する必要はありません。いくらでも辛い気持ちは発散してください。だって、毎日あなたは家族の食べるものを準備している。それって当たり前にできることではないのですよ。本当に立派なこと。
ごはんを作っているときには、「私って毎日、本当にえらい。すごいなあ。今日もがんばっている」そう声に出して自分を労ってください。あなたは大切なことを日々やり遂げて、責任をいつも果たしています。まずは、自分自身のがんばりを認めてあげてくださいね。