ごはんづくりのNEW問答No.19

「家族のお弁当にいつも晩ごはんのおかずや冷凍品を詰めていますが、なんだか残りものを集めたようで申し訳なくなります。お弁当のメニューって、どうやって決めたらいいんでしょうか。」(Aさん 40代)
定番メニューをローテーション、
それでいいんです。

今回の回答者
文筆家・ポルトガル料理研究家 馬田草織さん
残りものも冷凍品も立派なメニュー
日々黙々と、お弁当作りという特殊任務を遂行されている。そんなあなた、まずは本当にお疲れさまです。我らほんとうによくやっている。お互いに拍手そして握手。
余裕のない早朝に断れない大至急案件、しかも毎朝。繁忙期の特別制作料金と、特急仕上げ料金を追加請求したい(どこに)。
ただでさえ特殊任務なのに、さらに毎朝違うネタで作るなんて。それはもはや神の領域。だってプロのお弁当屋は、そもそも定番メニューが決まっている。芸人だって歌手だって、人気の持ちネタや歌の数に限りあり。
だから我々お弁当制作班も、鉄板ネタや定番メニューがいくつかあればいいのだと思うのです。それが残り物活用でも冷凍食品でもWHY NOT。なぜいけない、だっておいしいんだから。
というか、夕飯のおかずをあらかじめ多めに作って翌日詰めると、味が染みてさらにおいしくなるわけで。それを人は、古より〈生活の知恵〉と呼ぶ。残りものじゃないのですぞ、失礼な。あらかじめ計算して確保したのです。

定番メニューがあれば悩まない
さて、わが家の娘弁当の場合。毎朝メニューを考えることは苦行ゆえ、ぼんやりとしたルールを作っています。たとえば。テンションアップしたい月曜は、から揚げ+卵焼き+のり弁が定番。
続く火曜から土曜の5日間は、冷蔵庫のようすや娘の部活動などを把握しつつ、以下のバリエーションからゆるいローテーションで選ぶイメージ。
・焼き魚系(塩鮭、白身魚西京漬けなど)
・スープジャー系(カレー、シチュー、茶碗蒸しなど)
・米におかずのっける系(タコライス、チャプチェ、ビビンバなど)
・冷凍肉おかずレンチン系(焼売、ハンバーグなど)
・麺系(ナポリタン、納豆蕎麦炒めなど)
肉や魚は、料理のついでに素材に下味を付けて小分け冷凍。朝は焼くだけ揚げるだけにしておく。
冷凍食品も大いに活用。というか、食品メーカーや職人が食の叡智を注いで生み出した冷凍食品は、家のごはん担当にとって最強の助っ人。弁当で使わないなんて、じゃあ一体どこで使うんですか、と叫びたい。
あとは季節の野菜の塩ゆでストックに、おかかやのり、めんたいマヨやゆかりなどをあえて詰める。そうやって、日々特殊任務に対応しています。
ちなみに家でカレーやシチューを作るときは、当たり前ですが多めに作って冷凍し、お弁当に活用します。
どうせやるなら自分にやさしく賢く、そして楽しむ目線も忘れずに。お互いFighting!

優れた市販品を気楽に使おう
たとえば夕ごはんのおかずに焼鳥を買うときは、串を多めに買っておく。バラして冷凍しておけば、朝詰めるだけで焼鳥弁当に。あとは甘めの炒り卵と茹でたスナップえんどうのゆかり和え、かぼちゃ煮を詰めたら完成です。