ごはんづくりのNEW問答No.18

「料理は嫌いじゃないけど、洗い物をつい後回しにしてしまいます。お皿にフライパン、炊飯釜……どうすれば洗い物が減るでしょうか?やる気が出る方法を教えてください。」(Tさん 40代)
シンプルだけどこれがきく!
「鍋から手を離さない」というルール。

今回の回答者
料理人・文筆家 稲田俊輔さん
シンクは「通過点」と心得よ
シンクは「ためる場所」ではなく「通過点」と心得よ……これが鉄則です。
シンクに物がたまっていくと、洗い物の効率は一気に低下します。洗う作業がしにくいというだけでなく、油汚れの有るものと無いものが混在したら全てがヌルヌルになりかねず、洗う手間は倍増するのです。
……いやでもこれ、釈迦に説法かもしれませんね。洗い物を先送りにすると、結局それは自らの首を絞めることになる、そんなこと百も承知かと思います。僕だって人のことは言えません。そんな、わかっちゃいるんだけどねー、を少しでも解消するために、ひとつだけルールを提案します。
それは「鍋から手を離すの絶対禁止」というシンプルなルール。
たとえば朝、フライパンで目玉焼きを焼いたとします。目玉焼きをお皿に移したら、あなたの左手には汚れた空のフライパンがあります。これを絶対に手から離してはいけません。
すぐにシンクに移動して、ごく少量の水を垂らしてフライパンの温度を少し下げたら、そのまま一気に洗ってしまいます。使ってすぐに洗ったほうが、油汚れも落ちやすいはず。目玉焼きの皿を食卓に運ぶのはその後です。
炊飯器の内釜だって同じこと。残ったごはん冷凍するためにラップに包んだら、そこからは絶対に内釜から手を離してはいけません。

鍋の次はヘラ、ヘラの次は……
肝心なのは勢いです
これができるようになったら次は、調理に使った鍋以外のもの、つまり計量カップやボウルやヘラも、鍋を洗った勢いで洗ってしまいます。つまり、料理が完成した時点で、同時にシンクは空になっている状態を常にめざすということです。
ここまでできていれば、食べ終わった後の食器は、油物とそうでないものをちゃんと分けて置くことができます。
それをいつ洗うかは、食後のみかんでも食べながらのんびり考えてください。きっと以前ほどは大した苦労ではありません。

フライパンひとつ調理なら、
洗い物も減らせます
フライパンひとつで作れる料理は、洗い物を減らせるという意味でもうれしいものです。写真は「なす、ししとう、じゃこの田舎煮」を作っているところ。フライパンに食材と水、油、しょうゆ、みりんを加えてから火にかけるだけ。フライパンをはかりに乗せて、材料を計量しながら入れれば、計量スプーンも不要です。