ごはんづくりのNEW問答No.14
「体重・体脂肪・血圧・コレステロール値が高い夫婦です。食生活で改善しようとあの手この手でがんばっています。でも夫は、量や塩け、こってりさが足りないようで、お惣菜やお菓子などをあれこれ購入。自分のおこづかいで買っているので文句も言えず、結局私もいっしょになって食べてしまいます。」(Kさん 50代)
気楽に楽しく、
を大前提に小さなことから。
今回の回答者
管理栄養士 清水加奈子さん
まずはプチ目標を1つだけ
もちろん理想は、健康的な食事を毎日継続的に続けること。でも、相談者さんのお悩みの通り、食事の物足りなさが積もり積もると、その反動で味の濃いお惣菜やお菓子などをつい足したくなってしまいますよね……。
まずは、「できることを1つだけ実行する」と決めてみるのはいかがでしょうか。
年末の旅行までに体重を2kg減らす。そのために「おやつを週2回だけやめてみる」。血圧を下げるために、「週3回以上酢納豆を食べる」などなど。
重要なのは、体重を減らす、血圧を下げるといった目的そのものではなく、そのために「何をするか」。必ず実行できそうなプチ目標を1つだけ決めてみてください。ゆるいもので構いません。
ご夫婦で取り組めばよきライバルになるはず。たとえば目標を達成できた方がごほうびをもらえる、といったルールを決めると、達成するモチベーションが高まりますよ。
小さな習慣を長く続けることが大事
では、プチ目標のヒントをいくつか。薄味では物足りなければ、味付けはメリハリを意識。ごはん、主菜、副菜のうち、1品までは濃い味のものをOKに。
脂質が欲しければ、1食で減らすのではなく、1週間単位で考えましょう。揚げ物は減らしつつも、油が多い食事の次の日は必ずあっさりしたおかずに。
味が濃いめのお惣菜を食べるときは、野菜でかさまし。お菓子は食べてもよいですが、週2回は食べない日を作る、15時までに食べるなど、間引き方式で。
野菜、海藻、きのこはできるだけたくさんとりましょう。体重、体脂肪、血圧、コレステロールのお悩みすべてに共通する食材です。
また、脂肪を燃やして代謝を上げてくれるのは筋肉です。筋肉のもとである肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などのたんぱく質は減らさないようにしましょう。
続かない目標よりも、結果的に長期間継続できる小さな習慣が1つでも身につく方が、健康診断の数値によい結果が表れます。食事は気楽に、毎日楽しくする。それがいちばんですよ。
余り野菜でラーメンのバランスUP
私も糖質、脂質、塩分多めのインスタント麺を食べたくなることがありますが、ちょっとした工夫をしています。
ふだんから、余った野菜、きのこはカットして冷凍ストック。インスタント麵に、その冷凍ストックたちをたくさんと、卵、チーズを入れます。糖質だけでなく、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を補えて、バランスよい1品に変身します。
今回の回答者
管理栄養士
清水加奈子(しみず・かなこ)さん
調理師、国際中医薬膳師などの資格を持ち、多数のメディアで健康や美容に関する企画の監修、レシピ提案、栄養指導などを行っている。