パルシステムごはん部

ごはんづくりのNEW問答No.09

2024.5.23

「魚料理のレパートリーが少なく、肉料理が多くなりがちです。小さな子どもも食べられて、仕事から帰ってきて簡単に作れる魚メニューにいつも悩んでいます。」(Pさん 40代)

A -anser-

魚は栄養豊富な時短食材。
忙しい現代人の味方です。

今回の回答者
料理家 樋口直哉さん

強みと弱みを知って、
魚料理を攻略

魚料理は、価格が高い、内臓などの処理が必要、焼き魚や煮魚など決まりきったメニューになりがち、しかも子どもたちが喜んで食べてくれない……といろいろ言われてしまいがちです。

せっかく作ったのに反応が悪いとがっかりなので、攻略法を伝授しましょう。

料理を攻略するには、弱みと強みを知ること。魚の弱みは「骨」です。骨があると食べる気がやや削がれてしまいますが、それ以上に「おいしさ」に関係します。

じつは人間は、おいしく感じるひと口の量がだいたい15g〜30gと決まっています。大ざっぱに言うとスプーン1杯が目安。

例えばしょうが焼きやカレーライスであれば適量を作れますが、箸を使って骨を避けながら焼き魚を食べると、ひと口あたりの分量はそれよりも小さくなりがちに。そのため物足りなく感じやすいのです。

お手軽、下処理済み素材

ある民間企業のWebアンケートによると、小学生の子どもが好きなメニューの3位は堂々の寿司でした。

子どもは魚の味が苦手ではないのです。寿司のいいところはひと口で安心して食べられることですよね。

魚料理は骨を気にせず、かぶりつける環境を作る必要があるわけです。しかし、骨を抜くのは意外と大変。

そこでおすすめなのが、「下処理済みの魚」です。骨抜き、あるいは骨とりという表示がある切り身や、パン粉を付けた状態まで下処理されているカツなども便利です。

味付けは肉と同じように考えてください。豚の代わりに魚の切り身をしょうが焼きにしてもいいですし、ほたてをにんにく風味の唐揚げにしてもいいのです。肉と同じ味付けを意識すれば、レパートリーも自然と広がります。

魚は肉と比べると「調理時間が短時間で済む」のが強み。生の状態で食べられる刺身はもちろん、加熱をする場合も肉と比べてたんぱく質の凝固温度が低いので、加熱時間は短くて済みます。そして栄養も豊富。じつは魚料理は、忙しく食生活が偏りがちな現代人の味方なのです。

今回の回答者
料理家
樋口直哉(ひぐち・なおや)さん

科学的な視点から、素材のおいしさを最大限に生かすレシピや失敗しない調理プロセスを提案。2005年に第48回群像新人文学賞を受賞するなど、作家としても活躍している。

感想をきかせてください

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