ごはんづくりのNEW問答No.07
「冷蔵庫のありあわせで昼食などを作ることがあります。作った後、冷蔵庫を確認した妻に怒られます。『夕食の材料にする予定だったのに』と……。夫婦で料理する家庭は、みなさんどうやって在庫管理をしているのでしょうか。」(Uさん 40代)
大事なのは、家事能力ではなく
コミュニケーション
今回の回答者
スープ作家 有賀薫さん
食事作りってシェアが難しい
せっかく家族のために料理したのに怒られて気の毒!と思ういっぽうで、いやでもパートナーさんのお気持ちもわかるし……と、悩ましく思いました。
料理はもともとシェアが難しい家事でもあります。味、栄養、量、家計など、判断しなくてはならない部分がとても多く、かつその判断を共有しなくてはならないからです。
悩まれている「食材の在庫管理」もそのひとつ。これが会社であれば、在庫の出し入れには必ず伝票を作りますが、家の冷蔵庫から何を使って何が残っているかは、料理する人の脳内で行われていることが多いですよね。
ひとりのときはよくても、ふたり以上の場合、情報共有ができていないと「あったはずの在庫がなーい!」と混乱を招くのは必然です。
ちなみに、相談者さんのようにありあわせで料理ができる人と、予定を立ててレシピに従って作る人とはタイプが違います。想定外の状況が苦手な人もいます。もしかしたらパートナーさんのタイプも関係しているかもしれません。
ひと声かける気遣いで
みんながハッピー
私は夫が冷蔵庫を使う可能性がある日には、仕事で使うものにはマジックで名前を書くか、ふせんを貼っておきます。合宿所やシェアハウスなどでやる方式で、シンプルですがいちばん簡単なやり方です。
ただ、これは自分以外の方にその作業をお願いするしかありませんし、ルールを決めてしまうと、守れないときにさらなる争いの火種になってしまうことも。
もし、相談者さんのおうちでパートナーの方がメインで料理をやっていて、その合間にご自分が料理する側だとしたら、事前にNG食材を確認しておくだけでも「うちの人はかなりできる!」と思ってくれるはずです。
家事シェアには家事能力よりもコミュニケーション力が重要です。まだ女性が家事負担を担うことが多い世の中ですが、多くの女性はパートナーに対して、「共にやろうとしてくれる姿」を求めていることが多いのではないでしょうか。
冷蔵庫のありあわせで料理ができる相談者さんはかなりの料理上手と拝見しました。あとほんの少しの気遣いで、家族の満足度はぐっと上がるはずですよ。