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最新のデータをもとに産官学民で議論

パルシステム連合会は2002年から、大隅地区養まん漁業協同組合とともに、親うなぎを放流する事業に取り組んできました。2013年には両者で大隅うなぎ資源回復協議会を設立し、資源対策について、検証しながら多角的に取り組んでいます。その一環として、放流効果を検証するために「放流モニタリング事業」を2015年に立ち上げ、鹿児島県・肝付町の河川で放流実験と定点観測を続けています。

6月2日(木)に開催したワークショップには26名の参加があり、協議会の資源回復活動に、さらなる広がりを持たせていくためにパルシステムができることはなにか、専門家や生産者を交え、組合員と役職員が班ごとに分かれて話し合い施策を提案しました。前段として、全国内水面漁業協同組合連合会・内田和男さん、中央大学准教授・海部健三さん、大隅地区養まん漁協・牧原博文さん、奥園久人さん、当会常務・渋澤温之による対談が行われ、うなぎをめぐる最新の調査データや生産・流通の現状について理解を深めました。

参加者からの報告では、うなぎを販売する際の表示の工夫や流通の適正化、モニタリングシステムの開発、生物多様性をめぐる新しい運動の展開など、さまざまな視点で「できること」「やるべきこと」が提案されました。海部教授は報告を受け「成功例を作って社会に示す、ブライトスポットを作るというのは非常に重要な役割です」と話し、これまでパルシステムが続けてきた環境運動の蓄積から、生物多様性を取り戻すという視点での、新たな資源回復運動が生まれるのではと期待を寄せました。

専門家を交えて資源回復策を議論

資源回復を支える組合員の利用とカンパ

パルシステムでは、うなぎの資源回復に向けて2013年から「ニホンウナギの資源回復のためのポイントカンパ」を組合員より募集しています。2015年度も組合員が商品利用でたまったポイントを1口100ポイント(=100円)の支援カンパとする取り組みでは、総額213万5,400円が寄せられています。 また7月月間の取り組みとして大隅産のうなぎを使った対象商品1パックにつき10円を設定し、組合員負担ではなく生協として366万7,715円の支援金を積み立てました。

5月12日(木)にはモニタリング調査を組み入れた職員研修を現地開催し、新たに200匹を設置した石倉かごの近くに放流しました。この調査では、2015年9月に放流したうなぎの生息も確認され、データを蓄積することに成功しています。なおこの事業には、大隅地区うなぎ資源回復協議会を通して、これまでにパルシステムの組合員から寄せられたカンパ金などの支援金が充てられています。ご協力ありがとうございました。 パルシステムではこれからも、行政や研究者とともに、資源回復活動に取り組んでいきます。

職員研修でのモニタリング調査のようす