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縮小・高齢化する市場と農村を考える

パルシステム生産者・消費者協議会(生消協)の青年農業者交流会が、11月12日(木)~13日(金)の2日間にわたって開催されました。青年農業者交流会は、パルシステムの産直産地の今後を担う若手農業者の学習・交流のために設けられている機会です。今年は全国各地から31産地68名の生産者が集まりました。

1日目はTKP東京駅八重洲カンファレンスセンターにて、学習会を行いました。冒頭、生消協の大津清次代表幹事(愛媛・無茶々園)があいさつし「日本の農業は65歳以上の高齢者が6割を占めるなど、今後の担い手不足の問題は深刻です。またTPPの影響により、ここ数年はさまざまな課題に直面すると思います。自ら学び、考え、農(の意義や魅力)を訴える発信力をつけてほしいです」と話しました。

この日は「高齢化社会の食卓」と題し、北海道で農業コンサルティング・サービスなどを行う㈱リープスの鈴木善人代表が講演しました。「高齢化社会の問題は担い手だけでなく、食卓を取り巻く環境が変化します。今後は世帯の縮小化と高齢化が進み、各家庭の家計にも大きな差が生まれてきます。また1970年代以降、急速に食が西洋化したことで、国内生産とのミスマッチが続いています」と現状を分析しました。そのうえで「農業体験や生産者との交流経験がある人は、安全性や鮮度など生産物への興味が高まることがわかっています。生協は生産者と消費者がクリアな情報でつながっている組織です。積極的に消費者と交流しながら、ビジョンや事業の目的をまずは明確にし、技術、ブランド、企画・営業力で付加価値を向上させていきましょう」と経営の視点から生産者にアドバイスしました。

(株)リープスの鈴木善人代表が講演

会場には31産地の生産者が

生産者のネットワークを生かした次代づくりを

会のまとめとして生消協アドバイザーの谷口吉光秋田県立大学教授は「生消協という組織は、生産者同士を分断せずにネットワークさせるというパルシステム独自の優れた取り組みです。産直事業の創業世代とは違う状況のなかで、生産者と消費者双方に、まったく新しい運動を作り出す必要が問われているのではないでしょうか」と若手農業者や組合員に向けて提起し、さらなる連帯を期待しました。

翌13日(金)は各会員生協を生産者が訪問し、配送の同乗体験や商品をセットする物流センターの視察、組合員との交流などを行いました。