■栽培管理や交流で農林水産大臣賞受賞

祝賀会で行われた鏡開き |
佐原農産物供給センターは1981年、6名の生産者によって「農業に生きがいを持ち、農業だけで食べていける体制づくり」を合言葉に設立し、産直を開始しました。当初から農薬や化学肥料にできるだけ頼らない自然環境を重視した農産物の生産を基本姿勢とし、「人と土」を柱にすえた活動を展開しています。
全国に先駆けて農薬や化学肥料を削減した栽培自主基準を設定し、パルシステムの公開確認会開催や内部監査、公開自主点検などを実施しているほか、組合員や職員を対象にした農業体験の受け入れ、料理教室の開催など交流活動にも積極的に取り組んでいます。
これらの活動が評価され、2009年度には「第15回環境保全型農業推進コンクール」で大賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。
■地元行政や全国の産直産地関係者が集いました

あいさつする仲橋代表理事 |
1月13日(木)に成田市のヒルトン成田で開催された記念式典には、地元行政から宇井成一香取市長をはじめ、パルシステムなど取引先の生協や全国の産直産地などから関係者が出席して開催されました。
冒頭にあいさつした仲橋正廣代表理事は「この30年間、多くの出会いがあり、ドラマが生まれました。人のつながりの大切さを学びながら30年の歴史を刻むことができたと考えています。今後もつくることのすばらしさ、食べることの大切さを伝えられるよう、一歩一歩進んでいきます」と決意を語りました。
来賓としてあいさつしたパルシステム連合会の唐笠一雄専務理事は「昨夏の青果別セットにともなうおすすめ活動では、たいへんな協力をいただきました。これからもたすけあう社会づくり、資源循環型の社会づくりなどについてともに取り組み、食と農による世直し運動を広げていきましょう」と今後の協力を呼びかけました。
■松本東大名誉教授による記念講演

松本名誉教授による記念講演 |
次に、全国環境保全型農業推進会議会長の松本聰・東京大学名誉教授が「安全・安心な農産物の供給が築く日本の将来」をテーマに記念講演しました。松本会長は食の安全・安心や土づくりの重要性について説明し、香取市の立地条件について「水利もよく粒子が細かい恵まれた土壌を先人から長い間引継ぎ、熟畑化が進展しました。さらに1年中作付可能な気候と、首都圏という大消費地を控えており、これだけ恵まれた農業生産地はほかにないといっても過言ではありません」と説明しました。
続いて、自主的な生産管理や食育活動、次世代担い手の育成、1交流活動など広範囲で積極的に活動する佐原農産物供給センターについて触れ「日本の畑作の新しい方向が見えてきます。今後は日本の農地を『共通の社会資本』として認識を高め、食べものの重要性を社会があらためて感じることが重要です」と語りました。
■30年間で6名から150名の組織に

香取常務 |
祝賀会では、関係者による鏡開きが行われるなど華やかな雰囲気のなか行われました。香取政典常務はあいさつの席で、これまでを振り返りながら「これからも5年、10年先を見据えながら意欲的に変化と進化を追求したいと考えています。これまでの30年間で生産者は6名から150名まで増えました。家族を含めたそれぞれが同じ思いをもち、幸せを感じられる組織でありたいと思います」と抱負を述べました。
その後も各方面からの来賓あいさつや功労者への花束贈呈などが行われ、これまでの思い出話に花を咲かせながら今後の発展をともに期待しました。
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