2011年を迎えて
新年明けましておめでとうございます。
今年で21世紀も11年目に入りました。今までの10年間、世界、そして社会は激しく変化しました。世界はどのようにあるべきなのか、そして日本の立つ位置はどこにあるべきか。
新年にあたり、あらためてしっかりと主張していかなければならないと思っています。
パルシステムは「食と農を通じて社会改革」、「パルシステム商品の利用を通じ、社会改革への参加」を提起してきました。日本の平地は少ないが、生物が存在するにはかけがえのない、豊富で豊かな水があります。一方、平地がいくら広くても水がなければ農作物は育ちません。世界には饑餓を克服できない現実があります。日本の食料自給率を上げることは、世界に対する日本の役割に通じます。
私達は農業に適した風土を持つ土地で耕作放棄を進行させ、他方、限りある地下水を大量に汲み上げ、収奪型の大規模農業を営む国に、農業を委ねようとしています。このことは将来必ず、私達に災難として降ってかかってきます。パルシステムはあらためて「日本の食と農」を大切にする活動を進めて参ります。
地球は産業革命以降200年の間、人間中心にひたすら走り続け、自然に急激な変化をもたらしてきました。変化について行けなかった多くの種が絶滅し、または絶滅の危機にさらされています。このことは確実に将来、私達の生存を脅かす現象として襲いかかってくるでしょう。今こそ新たな価値観の創造が問われています。それは自然に眼を向け、自然を知り、問いかけることです。その上で人に眼を向けることです。そこに先が見えます。
現代はマイナス要因をあげればきりがありません。しかし食の安全、農の大切さ、環境、福祉、協同組合の価値と、私達が取り組んできたことに対する社会の注目が高まってきていると思っています。
プラス思考でそれらを自らのものとし、実績を積み上げていきたいと考えています。
パルシステム生活協同組合連合会
理事長 若森 資朗
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