■地域や地球にもまなざしを向ける社会をめざします

役職員など45名の参加がありました |
パルシステム連合会は7月9日(金)、東京・文京区のアカデミー茗台にて、生物多様性実行委員会主催で「生物多様性とは」をテーマに学習会を開催しました。当日は、会員生協役職員や協力団体、取引先など45名が参加しました。
学習会開催に際し、渋澤温之実行委員長は「パルシステムグループ内の生物多様性の取り組みの成果を一致し、社会に広く発信するための目線合わせの場としたいと思います」、若森資朗理事長は「人間が自然へのまなざしを忘れては人間に未来はありません。生物多様性の取り組みの必要性を広く訴えていきましょう」とそれぞれあいさつしました。
■広い視野で商品選択基準をもつことが大事

鷲谷教授 |
講演では、東京大学大学院農学生命科学研究科より鷲谷いづみ教授を招き、「生物多様性とは」をテーマに学習しました。
地球上では現在、年間4万種の生物が絶滅しており、人類の出現が「地球史上6回目の大絶滅時代の始まり」ともいわれています。絶滅を防ぎ生物多様性を保つ重要性として鷲谷教授は(1)資源の提供や治水などといった生態系サービスの源泉であること(2)DNA情報がさまざまな事態に対処する戦略となること(3)産業や芸術の源泉であること――の3点を挙げました。
国内において生物多様性の取り組みは2010年が大きな転換点と位置づけられており、10月には生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)も開催されます。従来の取り組みへの評価と新たな目標設定がなされますが、2010年目標への評価は1つも達成されていないという厳しい評価が予想されています。
鷲谷教授は「生物多様性に与える影響として、農業政策が非常に大きく寄与する事は明白です。あわせて、生物多様性という広い視野の商品選択基準を消費者が持ち、より多くの市民が生物多様性へのまなざしを意識することが大切ではないでしょうか」と問題を提起しました。
■手法や考え方など多くの質疑が交わされました その後、参加者から「パルシステムが生物多様性の取り組むにあたって、どのような指標を意識すればよいのですか」「環境を再生するにはどうすればよいですか」「外来種を取り除くにあたってどのような合意形成が必要なのでしょうか」などの質疑がありました。
最後に高橋宏通食料農業政策室長より「今後、生物多様性の論議する場を積極的につくり、より多くのまなざしを送れるようにしたい」との共有化がなされ、学習会は終了しました。
【関連リンク】
パルシステムが取り組む産直プロジェクト11「生物多様性」プロジェクト
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