スリランカ 森林再生プロジェクト 進捗報告(2010年2月〜2010年3月)

乾季に入り、水量が減少し池底が見えている貯水池 |
2月から3月はちょうど農作物の収穫期にあたり、地域の人々は収穫作業に追われます。このため、プロジェクトでの活動は、収穫作業に支障のない範囲で行いました。現地では、1月に乾季に入りましたが、雨季の降水量が少なかったため、稲の生育や貯水池の水量に影響が及んでいます。水不足から、特に発育期にある農作物の収穫量の減少が心配されていますが、幸いなことに植林された樹木は、このような悪条件にも耐え、今後土壌水分保護の役割を果たすことが期待されます。
プロジェクトでは、害虫・病気対策に関するトレーニングと2010年1月に引き続き食物の栄養価についてのワークショップなどを行いました。
害虫・病気に対処するトレーニング

トレーニングの様子。参加者はブレインストーミングで意見を出しあい、積極的に参加しました。 |
2月10日、パハラ・サマネワ コミュニティで家庭菜園を行っている女性17人を対象に、農作物の害虫や病気に関するトレーニングを行いました。このトレーニングは、有害な農薬を使用せず環境にやさしい低コストの害虫・病気対策を身につけること、日頃から注意深く作物の生育を観察・管理することによって迅速に害虫や病気被害に対応すること、害虫を寄せ付けない植物の活用方法を学ぶことなどを目的としています。トレーニングでは、リーフレットやパンフレットを活用し、適切な作物の選び方や保存方法、害虫被害の早期発見方法、害虫・病気の簡単な予防法、作物の生長不良と病気の見分け方、光やフェロモン、煙などを利用した実践的な害虫・病気対策などを学びました。

害虫に強い植物を植えた例も紹介されました |

トレーニングで使用したリーフレット。カラフルな絵や写真で病気の違いや害虫の種類を容易に知ることができます。 |
食物の栄養価に関するワークショップ

ワークショップの様子。家族の健康のため、参加者は熱心に耳を傾けました。 |
3月22日、前回の進捗報告(2009年12月-2010年1月)にてご報告した、食物の栄養価に関するワークショップの第2回目を、エタカダの病院で行いました。エタカダとマハディウェワ コミュニティの助産師が講師となり、同地域に住む母親25人を対象に、栄養素を失わない調理法や適切な食料の備蓄方法などについて講義しました。5月にも75人の女性を対象に、同様のトレーニングを行う予定です。
子どもクラブの活動
- 掲示板の設置
マハディウルウェワ コミュニティの学校では、子どもクラブの活動を推進するため掲示板を設置しました。栽培に適した土壌成分や植物の種類・名前、家庭菜園に関わる知識をこの掲示板に掲示することで、有用な情報を皆で共有できるようになりました。
- 子どもたちによる評価レポートの作成
カダワス・ランベワ、ルヌペヒクチャワ
コミュニティの子どもクラブは、プロジェクトの評価レポートを作成しました。レポートでは、森林再生の重要性、子どもたちが活動に主体的に参加すること、プロジェクトでの経験と習得した知識を共有することの大切さ、活動で学んだこと、今後の活動についての提案などが報告されました。
もっと知りたいスリランカ(11)「スリランカの国旗」
スリランカでは、70%が仏教徒で、ヒンドゥ教徒10%、イスラム教徒8.5%となっています。また、国民の大部分(約73%)を占めるシンハラ人のほかに、タミル人、スリランカ・ムーア人などの少数民族が暮らしています。スリランカの国旗は、このような多種の民族、多様な宗教を表現しています。
ライオンはシンハラ人、ライオンの持つ剣は国の統治権を表しています。また、オレンジ色の縦の線は少数民族のタミル人、緑色の縦の線はイスラム教徒を表します。ライオンの周囲四隅に描かれているのは菩提樹の葉で、多数派の仏教徒を意味します。この4枚の葉は、親切、友好、幸福、心の平静の4つの徳を表しています。
|