パルシステムグループは2010年度、食と農をつなげる「100万人の食づくり」運動に引き続き取り組みます。2009年度は、農林水産省などが進める「フードアクションニッポンアワード」において、流通・サービス部門の最優秀賞を受賞しました。3年目を迎える2010年度は、パルシステムの大きな特徴である産直に焦点を当て、その意味を伝えます。
戦後から高度経済成長期にかけて日本は、経済成長を最優先してきました。その一方で、格差は広がり、人や自然とのつながりを感じにくい社会になってきています。いのちを育むうえでも、今こそ相手の存在を認め合い、理解し合い、利益もリスクも分かち合える関係が必要ではないかとパルシステムは考えています。
パルシステムでは30年以上にわたって産直活動に取り組んできました。単純に産品を直接組合員に届けるという産直ではなく、食と農の間にあるいのちのつながりを大事にし、周辺の地域や環境も含めて共存できる農業の形を追い続けてきたのがパルシステムの産直です。
人とのつながり、自然とのつながり、いのちのつながりをいまこそもっと大事にしたいという考えから、2010年度の「100万人の食づくり」運動は、“産直”をキーワードとすることにしました。
そんな産直の底力をより広く知ってもらうため、現在パルシステムで取り組んでいる産直活動の一部を「プロジェクト11」と名付けました。パルシステム商品の利用が、それぞれのプロジェクトを推進することにつながります。今後はカタログでの情報発信や、ホームページ上に独自コンテンツを公開することなどを予定しています。
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プロジェクト名 |
目的と内容 |
活動 |
キーワード |
1 |
「サンゴの森づくり」
プロジェクト |
「恩納もずく」などの利用やポイントカンパで年間1千本、10年間で1万本のサンゴを植え付け |
・PB商品「恩納もずく」利用代金の一部をサンゴの植樹費用に
・2月からの半年間、サンゴの植樹活動を支援するポイントカンパを実施
・沖縄県恩納村へ産地交流ツアー実施 |
生物多様性
CO2削減
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2 |
「耕畜連携」
プロジェクト |
ふんの肥料化や飼料米を与えた「こめ豚」「こめ鶏」などを計画 |
・飼料米を与えて育てた「日本のこめ豚を18,000頭、「こめ鶏」を9万羽出荷
・83haの耕作放棄地が飼料米田んぼに |
耕畜連携
地域資源循環
アニマルウェルフェア |
3 |
「生物多様性」
プロジェクト |
生きもの調査を実施し、メダカ、ホタルの復活を全国20産地でめざす。トキを育む運動なども |
・「田んぼの生きもの調査、観察」を全国で25回実施
・産直産地はもちろん、産地交流や職員研修でも実施 |
生物多様性
環境保全型農業 |
4 |
「森林・里山再生」
プロジェクト |
地域の、森林、里山を保全し、農業の多面的な機能を発揮する。棚田米やしいたけ原木取引などを計画 |
・岩手県軽米町の間伐材をしいたけを栽培する原木として年間3万本を取引。これにより10haの里山を保全 |
地域資源循環 |
5 |
「地球温暖化防止」
プロジェクト |
エコ・チャレンジ、コア・フード農産物の購入で、地球温暖化防止への貢献が分かるしくみづくり |
・コア・フード、エコ・チャレンジ商品の紹介 |
CO2削減 |
6 |
「産直原料」
プロジェクト |
産直原料を加工品に使い国内自給率向上をめざす。PB商品だけでなくNB商品にも導入を検討する |
・産直原料を使用した冷凍食品や加工品を開発 |
農商工連携 |
7 |
「植樹」
プロジェクト |
北海道野付漁協が取り組む植樹活動「コア・フードの森」により、地域環境や水資源を守り沿岸漁業を育てる |
・北海道野付産商品の利用代金の一部を「コープの森」植樹費用に
・年間500本の木を植樹
・北海道野付への産地交流ツアー実施 |
CO2削減 |
8 |
「フードマイレージ」
プロジェクト |
4団体が連携。輸入と国内産原料の移動距離から発生するCO2の差を「ポコ」の単位で表現 |
・国産原料を使った商品開発 |
CO2削減
食料自給率向上 |
9 |
「ごはんもう1杯!」
プロジェクト |
田植え前から年間購入を予約をすることでリスクの高い環境保全型農業での米づくりが可能になる |
・予約登録米の登録よびかけ
・年間を通じごはん中心の日本型食生活を提案
・年間7万トンのコメ消費拡大をめざす |
食料自給率向上
環境保全型農業 |
10 |
「産直交流」
プロジェクト |
組合員が産地を訪れ、生産者と地域、仕事の姿を知る。「食べる」と「つくる」の距離を縮める |
・泊りがけで産地を体験できる「産地へ行こう。」を企画
・近郊の産直産地で収穫体験ができる日帰り交流企画も
・産地交流年間2万人をめざす |
意識啓発
生産地と消費地の交流 |
11 |
「もったいない」
プロジェクト |
食品の大量廃棄を見直し、規格外や余剰原料なども含め自前の資源を活かした循環型商品を提起 |
・規格外青果など未利用資源の商品化や加工品を開発 |
食料廃棄削減 |