■工場見学もあわせた初の「工場の公開確認会」

公開確認会 会場の様子 |
パルシステム連合会は、2003年より、消費者である生協組合員自らがメーカーとともに商品の安全性を確認する「工場の公開確認会」に取り組んでいます。
9月16日(水)には製造現場で初めて、工場の公開確認会が開催され、パルシステム関係者30名、メーカー6名総数36名が参加して、相互理解を深めました。
これまでの監査では監査人が工場に出向き、工場を見学しながら、書類との整合性等を確認。その内容を、監査に参加出来ない組合員・職員に監査の報告会を行っていました。今回は報告自体も現地の工場で見学も行いながら、より工場、工場の公開確認について理解を深める目的で報告会の開催となりました。
■2つのPB商品でメーカーの工場を見学

約100年経った杉の樽の前で説明を受けました |
今回は、酢製品などを製造するの私市醸造(株)と、ケチャップなどを製造する山屋食品(株)の2工場に対しての確認会でした。
私市醸造では、本郷工場長より簡単なレクチャーを受けて、工場を見学しました。事前のレクチャーでは、昔ながらの静置発酵とドイツ製の機械を使用しての発酵と両方を上手く取り入れながら製造している事などの説明がありました。

山屋食品での工場視察風景 |
静置発酵では、新潟県の酒造メーカーの吟醸酒の搾りかすを原料に100年ほど経つ杉の桶に仕込んで酢を製造している様子を見学しました。充てんの工程では、リユースびんでによる供給のため洗びん、チェックなど厳しく対応していると説明を受けました。
山屋食品では、まず会社概要の説明としてビデオが上映され、その後工場見学に移りました。工場内は、気圧を上げて外から異物が入らないように設計・運営されていること、また原則1日1製品の製造にしぼりこんでいることなど、HACCPに対応した最新の衛生管理がなされた工場である事を理解することができました。
■工場視察終了後は、メーカー、監査人それぞれから報告

補足説明をするヤマヤ食品の中伏工場長(中央) |
実際に工場見学の後、あらためてそれぞれのメーカーからの報告および事前に行われた監査報告が監査人から出され、意見交換がなされました。
私市醸造からは、改めて工場や製造の特徴などについて述べられ、監査の指摘事項に対しての書類や見解が出されました。また、山屋食品からも、工場視察後の補足および視察時にだされた質問などについて回答しました。
意見交換では、参加者より「新型インフルエンザの対策はどうなっていますか」「中国製ギョーザ事件で問題になったが、外部からの不審者の侵入対策はどうしていますか」などの率直な質問が寄せられました。
最後に、工場の公開確認会部会部会長のドゥコープ松沢洋子理事から、両社に対して感謝状が手渡され、公開確認会が終了しました。
【資料】
工場の公開確認会
消費者と製造者と一緒になって食の安全を確認するシステムとして2003年度に開始し、工場の製造管理の記録や衛生管理の取り組みについて点検・確認しています。
2005年には「TASIQA(たしか)システム」(パルシステム品質保証認定制度)を制定し、同システムに基づいた工場の公開確認活動を推進してきました。昨年度まで5年間で開催した公開確認会は、28工場となりました。牛乳、精米、肉加工工場など、対象工場は多岐にわたります。製造工場と消費者組合員の信頼関係の強化と、それに基づくパルシステムならではの商品利用の拡大定着、また商品事故の削減をめざします。
また、工場の責任者・組合員・生協職員が参加し、消費者である組合員が製造工場での品質管理の取り組みや改善努力を知り製造者との相互理解と信頼を深める場となっています。
工場の公開確認会の役割
パルシステム商品の製造・管理状態について、調査確認を行いTASIQAシステム(パルシステム品質保証制度)の運営・実施をし、製造者に対し、知識を広めるのと同時に、報告集会の開催等を通じ生協=消費者としての意見を述べ、更に職員、組合員の参加を広げる。
※TASIQAシステムとは
Trial(試み)Authorization(認証)for Safety(安全)Improvement(改善)and Quality(品質)Assurance(保障)system(制度)の略。パルシステム独自の品質保証制度。
パルシステムの品質保証
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