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掲載日:2009年4月3日

パルシステム東京とパルシステム連合会は 「反貧困フェスタ2009」に参加しました
パルシステム東京とパルシステム連合会は3月28日(土)、市民団体や弁護士、労働組合などで構成する反貧困ネットワーク主催の「反貧困フェタ2009」(東京・千代田区)に参加しました。当日は、組合員や職員がボランティアとして参加し、積極的に協力しました。

多くの参加者が集まった反貧困フェスタ

■「労働」をテーマにシンポや炊き出しなどを実施

 反貧困ネットワークは、貧困問題に取り組む多様な市民団体、労働組合、弁護し、学者などが集まり、労働や雇用の問題を社会的・政治的に解決することを目的として2007年10月に発足しました。

 「反貧困フェスタ2009」は、3月28日(土)、東京・千代田区の千代田区立神田一橋中学校を会場に開催されました。今回は「労働」をテーマに、「派遣切り」や内定取り消し、長時間労働など、労働を取り巻く問題について、相談会やシンポジウム、炊き出しなどを通じて考えることを目的としました。


■くらしの相談センター職員は相談ブースで

パルシステム職員もボランティアとして参加しました

 当日の会場には、計1700名の参加がありました。会場準備の朝8時から100名以上のボランティアが作業を開始し、開場前にはすでに炊き出しを求めて生活困難者が校門の外に並び始めていました。

 学校の校庭では炊き出し、生活・医療等の相談、針灸、健康診断などが行われました。炊き出しは、一時は会場の外まで長蛇の列が出ました。ホタテ焼き20kg、イカ焼き100杯、雑煮150人分、つき立ての餅などが午前11時すぎにはなくなりました。炊き出しのところにカンパ箱を置いたところ、そこに合計百数十円のお金が入っていたようで、「多くが1円玉でした。みなさん、楽な生活ではないはずなのに、それでもカンパしてくれたその気持ちがとにかくうれしかった。」と、炊き出しを担当された方は話していました。

 相談ブースでは、パルシステムくらしの相談センターの相談員をはじめ、弁護士などが、生活、労働、医療相談を同時にボランティアで受けました。「自分は生活保護が受けられるでしょうか」「この数日をどうやって暮らしていけばよいでしょうか」などの相談がありました。校庭にはビニールシートが敷いてあり、そこに座りながら思い思いのテーマで話し合う人たちの姿も見受けられました。


■分科会やシンポジウムではそれぞれの思い訴え

 学校の校舎内では、午前中はテーマ別の分科会「女性のハケンを考える」「働くこと《労働》を学ぶ」などが行われ、午後には体育館にてシンポジウムが開催されました。シンポジウムは、雨宮処凛(あまみや かりん)氏と湯浅誠氏がコーディネーターとなり「いま“はたらく”が危ない」をテーマに、現在発生している諸問題について考えました。参加者は体育館に並べられた椅子には座りきれないほどでした。

 冒頭、湯浅氏は「派遣という仕事がリスクの高い働き方であることについて語られることはありませんでした。そのリスクが、金融危機が起こり表面化したというのが正しい認識でしょう」と分析し、「年越し派遣村は一つのきっかけです。時間が経つにつれ年越し派遣村が一つのイベントだったという風潮になりつつありますが、働くということを考え直すきっかけになれば、やった甲斐があったと思います」と話しました。

 シンポジストとして参加した9名は、飯場労働をしていたが解雇された方や、社内の派閥争いで敗れてやむなく大手ゼネコン企業を退職した方など様々な立場から自らの経験を語りました。成果主義に異を唱えたり、障害者自立支援法に疑問を投げかけたりするなど、それぞれの立場から、問題を訴えました。

 その後、毎日新聞記者である東海林智氏がコーディネーターとなり、反貧困をテーマに意見を交わしました。パネラーからは「貧困問題は地球規模の大きな問題」「労働運動と市民運動を同時に行うべき」「現行の制度が穴だらけでセーフティネットからこぼれる人がたくさんいます。制度を私たち抜きで決めないでほしい」などの意見が交わされました。


●参加したパルシステム連合会職員の感想

反貧困フェスタで思ったこと


 金融危機のあおりを受け、2008年終わりから製造業(特に自動車、電機)で次々に派遣社員が契約打ち切られ、2009年に入り正社員の早期退職を募集という文字が新聞各社の誌面を賑わすようになりました。さらに、2010年度には、完全失業率は過去最悪の5.5%(民間シンクタンク36社の予測平均)になると内閣府の外郭団体、経済企画協会が先日発表しました。

 派遣業法などの良い悪い、雇用する側の良い悪い、報道の仕方の良い悪いは抜きにして、困っている人がいます。そんな中で生活協同組合という組織の一員として、なおかつ一人の生活者として私は何をすべきなのか。ヒューマニズムから派遣社員の首を切るな! 派遣切りを行った企業は悪だ! と訴えることが必要なのか? 募金で解決する問題なのか? 募金をすればのうのうと座っていていいのか? そんなことを言っても私にできる事はあるのか? と悶々と考えているときに、あるメーリングリストで、医師が年越し派遣村で活動をしていたということを知りました。そこには切実な現状が書かれていました。私も機会があればこんな風になにか手伝いたいと漠然と思っていました。

 思いがけずこのような機会を頂いて、足を踏み入れてみると想像以上にシビアな世界でした。開場と同時にわき目も振らずに炊き出しに並ぶたくさんの人たち。大学教授の講演でも聞くかのように、湯浅さんの講演を聞いてみたいと思っていた自分が恥ずかしくなるくらい切実なシンポジストの声。今まで漠然と考えていた働くことに対する考え方など理想に過ぎないということがよくわかりました。今まで正しいと信じていたことが、この反貧困フェスタに参加して、深い森に再び迷いこんでしまったようなそんな感覚を覚えました。

 そんな私が一つだけ分かったことがあるとすれば、ニュースで報道されている事は、その現実に直面している人にはまぎれもない現実で、報道に対して是非を論じても何の解決にもならない。私たちが唯一できることは募金でもボランティアでも何かアクションを起こすことである。いろいろな社会におけるプレイヤーが自分なりに行動を起こすこと、集まって考えること。それが重要なことであるということに気がつきました。「おいしかったよ、ありがとう」といって満足そうに帰っていった人がいると教えてくれた人がいました。たとえ一人ひとりの行動は小さくても集まれば大きなことができる。そして、それによって現実に直面している人が背負っている荷物をほんの少しでも肩代わりできたとすればそれはすばらしいことだと実感しました。

きっとどんなことにも私たち“にしか“できないこと、私たち“にも“できることはたくさんあるのではないでしょうか?

それがどんなにちっぽけでもアクションを起こすことが大切だと思いました。

それが労せずできるのが生活協同組合に関わる人たちなのではないでしょうか?

難しい事は考えずにその人のために一歩踏み出す。賀川豊彦さんはそうしていたと私は聞いています。





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