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掲載日:2009年3月25日

容器包装のあり方と古紙リサイクルの課題をテーマに
パルシステム協力会「環境講演会」を開催しました
3月17日(火)、パルシステムのお取引先で構成する「パルシステム協力会」の環境部会が、協力会の会員を対象に環境講演会を開催しました。今回は、環境に配慮した容器包装のあり方と、古紙リサイクルの現状の2テーマについて講師を招きました。

環境講演会の様子(アカデミー茗台)

■取引先305社で構成する「パルシステム協力会」

 「パルシステム協力会」は、1990年に発足し、現在はパルシステムグループのお取引先305社を会員として構成されています。

 会の中には「組合員交流委員会」、「物流部会」、「環境部会」、「品質管理部会」、「異業種交流部会」の1委員会4部会が設置され、組合員のみなさんに安心して利用していただける商品づくりや業務品質の向上に努めています。各種イベントへの協賛や工場見学、学習会への協力など、パルシステムの活動にともに取り組んでいます。


■高齢化や世帯人数減少で容器も変化

DNPの廣田氏

 3月17日の環境講演会は、アカデミー茗台(東京・文京区)にて協力会会員や生協関係者など54名が参加して行われました。開催にあたって渋澤温之執行役員運営本部長が「パルシステムでも現在、環境政策の策定を予定しています。みなさんと一緒に環境活動に取り組んでいくためにも、学習に臨みたいと思います」とあいさつしました。

 最初の講演は、「環境に配慮した容器・包材の開発について」と題し、大日本印刷株式会社(DNP)包装事業部企画本部商品戦略部の廣田幸司氏が、近年の商品パッケージにおける役割と傾向について講演しました。廣田氏は、近年のパッケージの傾向について、容量の適正化とユニバーサルデザイン化、環境対応、機能・表現の多様化が特徴的と分析し、それぞれの傾向について説明しました。

 容量の変化は、高齢化や世帯人数の減少によるものです。廣田氏は「購入した商品を使い切る容量にすることで、廃棄率を減少させることができます。また、お弁当用、朝食用など、用途を限定した商品も増加し、オケージョン・マインド(その時々における心理)に対応した商品も増えています」と解説しました。


■ユニバーサルデザインと環境対応へ

 ユニバーサルデザイン化については(1)暗がりでも使えるような分かりやすい表現(2)見て使い方が分かる簡単で直感的な使用性(3)誤った使い方でも問題のない柔軟性と安全性(4)適切な重量・サイズ(5)無理のない動作での使用感――の5原則を挙げ、事例を紹介しました。

 環境対応のパッケージは「減量」「詰め替え」「分別廃棄しやすさ」といったごみ減量の取り組みを紹介したほか、原料の段階から輸送、消費後の廃棄までに発生するCO2排出量が表示される「カーボンフットプリント」などをキーワードとして提示しました。カーボンフットプリントでは、あわせてCO2排出権を商品に組み入れる「カーボンオフセット」商品の増加も指摘し「こうした商品は、カーボンフットプリントの補足として、カーボンオフセットが表示されることになるでしょう」と予測しました。また「パッケージの環境配慮におけるニーズは、今後高まっていきます。商品コンセプトや使用感、表示情報などをどう落とし込んでいくか、常に考える必要があります」と話しました。


■自治体回収などで高まる古紙回収率

古紙ネットの中村代表

 続いて、古紙問題市民行動ネットワーク(古紙ネット)の中村正子代表が「“古紙偽装”と古紙リサイクル」について講演しました。昨年1月、再生紙年賀状の古紙配合率偽装が発覚して以降、製紙会社各社による古紙偽装が次々と明らかになっています。中村代表は、偽装の背景と古紙をめぐる状況について解説しました。

 まず古紙回収をめぐる動きを「ちり紙交換や、町内会およびPTAによる集団回収など、資源小国である日本では古くからリサイクルのシステムが成り立っていました。1990年代からは、それらに加えて自治体が資源ごみの回収を開始、環境ISOなどの普及で事業所でも古紙回収の動きは強まりました。それまで50〜60%で推移していた回収率は、いまや70%を超えるに至っています」と説明しました。


■資源循環社会へ古紙の活用を

 しかし、その反面、国内の古紙利用率は上がらなかったことから古紙価格は急落し、中国などへ輸出されるようになります。「欧米に比べて日本の古紙の品質が評価され、輸出量は拡大しています。ただし、昨年11月に発生した経済危機で輸出量は激減し、一時期安定していた古紙価格は再び急落しています」と現状を紹介しました。

 古紙偽装の要因については、環境問題から再生紙を求める社会の価値観と製紙メーカーとの意識のずれを指摘しました。木材からつくられ紙の原料となるパルプは、製造途中で黒液と呼ばれる液体が発生するそうです。それは紙製造時に燃料として使用されることから、製紙会社は「製造時に大量の化石燃料を使用する再生紙より、トータルでは環境負荷が少ない」と説明しているそうです。中村代表は「世界の人口爆発を踏まえれば、紙の使用量は今後さらに増えていくでしょう。限りある資源を循環させるしくみが必要です。みなさんも可能な範囲で古紙を使用してください」と参加者に訴えました。

 最後に、パルシステム連合会の環境関連子会社、エコサポートの小沢一郎参与が総括し「今後も環境問題は、社会状況に合わせた取り組みが求められます。パルシステム協力会のみなさんと一緒になって、先行して取り組みたいと考えます」とまとめました。




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