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掲載日:2008年12月9日

パルシステムも参加する「全国ネットワーク」が「ストップ再処理 市民集会」を開催しました
11月29日(土)、パルシステムも参加する「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」は、東京都港区のドイツ文化会館にて、「ストップ再処理 市民集会 六ヶ所再処理工場の問題をあらためて問う」を開催しました。

■稼動延期が15回におよぶ「六ヶ所再処理工場」

定員を超える220名の参加がありました

 青森県六ヶ所村にある化学工場「六ヶ所再処理工場」は、核燃料サイクル施設のひとつであり、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出す施設です。2006年3月から試験稼動「アクティブ試験」を始めていますが、トラブルが続いており、これまでで延期は実に15回にもおよんでいます。

 パルシステム連合会は、自然環境と生命と食べものを守るという観点から、2007年7月に発足した「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」(略称:全国ネットワーク)に、呼びかけ団体のひとつとして参加しています。今年1月からは、署名活動や集会参加など、本格稼動の中止を求める活動を本格的に開始しました。


■環境汚染だけでなく計画実現すら遠のく核燃料サイクル計画

小出氏は放射線の基本から
核エネルギーの問題点まで
幅広く解説

 今回の「ストップ再処理市民集会」には、定員を上回る220名の参加者が集い、講演や報告を通じて六ヶ所再処理工場の現状と問題点を共有しました。

 京都大学原子炉実験所の小出裕章氏による講演「六ヶ所再処理工場の問題点」では、放射線の性質から、国際的なエネルギー事情、六ヶ所再処理工場の問題点まで幅広く解説されました。小出氏は「放射線は、たった1000分の1度の体温を上昇させるエネルギーで半数の人を死に至らしめます。また被ばくによるリスクは年齢が低くなるほど高くなります」など、その基本的な性質について説明しました。

 その上で、六ヶ所再処理工場が排出する放射能量について問題点を指摘し、「予定されているトリチウムの放出に関して、原子力発電では濃度規制があります。しかし再処理工場では、その濃度にするためには100万トンの希釈水が必要となるので、規制から除外してしまいました。

 一方で核燃料サイクルの中心となる高速増殖炉の実用化計画は、年度を示すことができなくなるほど先送りされており、経済的に見ても、当初計画の7,600億円が、現状では2兆2,000億円もの費用がかかっており、当然放棄されるべきものとなっています。放射線被ばくで受けるリスクが低く『核エネルギー』の使用について、GO!のボタンを押した50代以上の私たちこそ、どうしても計画をストップさせる責任があるのです」と訴えました。


■難航するガラス固化に加え耐震設計にも問題が

 続いて原子力資料情報室の澤井正子氏から「今何が起きているのか」として、六ヶ所再処理工場でトラブルが続いているガラス固化製造を中心にした現状報告がありました。

 ガラス固化とは、原子力発電所から排出される高レベル放射性廃液を、高温でガラスビーズと混ぜ固体化させようというものです。温度管理の不安定や溶けきらない物体の沈殿などで試験は難航しており、11月には15回目の完工延期が決まりました。澤井氏は「高レベル廃液のガラス固化試験では、廃液に混在する不溶解残さが含まれておりません。試験はさらなる困難が容易に想像できます。トラブルはまだ続くでしょう」と予測しました。

 さらに澤井氏は、各種報道でも伝えられている周辺地域の活断層調査の不備も問題視。「日本原燃など事業主体は、マグニチュード6.5を想定した設計を施していますが、東洋大学渡辺満久氏のグループが指摘した活断層の可能性がある『大陸棚外縁断層』を評価すると、マグニチュードは8.3にもおよぶことが明らかになりました。再処理工場の稼動を止めるためには、みなさんが知恵を出し合い、新しいことを考えていかなければなりません」と、行動を呼びかけました。


■再処理工場の実態を知りその可否を考えましょう

呼びかけ団体からの活動報告

 最後に、全国ネットワーク賛同団体および呼びかけ団体からの活動報告が行われました。生協だけでなく、漁協や農産生産者、メーカー、サーファーなど幅広い分野からの代表者から、これまでの活動内容について発表がありました。ある発表者は「地元では『反対運動をすると風評被害が出るからやめろ』という声が圧倒的です。しかし、誤ったことをしていることに気づいたら、正直にそれを認めることも必要なのではないでしょうか」と問題を提起しました。

 パルシステム連合会からも運営室の大澤忠室長が発言し「再処理工場から出る放射線物質で最初に被害を受けるのは子どもたちです。その子どもたちに私たちは何を残すことになるのか、この思いを胸に活動を続けていきます」との決意表明をしました。




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