「森林再生プロジェクト」は、パルシステムが、世界各国で活動している国際NGOプラン・ジャパンと提携し、パルシステム独自の国際支援活動としてスリランカで環境教育・森林再生を目指して取り組んでいるプロジェクトです。
お預かりした351万6000円のカンパは、三ヵ年の計画の中で、分水地点管理、環境保護啓発活動、植林・森林管理、農業指導などさまざまな活動に使われていきます。ご協力ありがとうございました。
プラン・ジャパンより、スリランカ現地の近況報告が届きましたので、ご報告させていただきます。
スリランカにおける森林再生プロジェクト 進捗ご報告書(2008年11月)
植林に向けて、苗木の配布や土地の整備作業が本格的に始まりました。子どもクラブの活動も活発になり、苗木の育成に貢献しています。
森林農業活動と農家の選定
森林農業活動を行う農家の選定が終了し、最終的に70の農家が決定しました。2008年11月の第2週には、農地の準備が整い、3,750本のチークの苗木が配布されます。今後農家からさらに3,750本の苗木が提供される予定です。これらの苗木は農家が自分たちの苗床で育成しているものです。
子どもクラブによる森林再生プログラム
エタウェラゴレワ、ルヌペヒクチャワ、カダワス・ランベワ、パラナ・ハルミレワ、ガレガマ、パンディガマ、エタカダの各コミュニティで7つの子どもクラブが設立されました。これらの子どもクラブは、6つの苗床を管理し、植林用の苗木約6,000本を育てています。苗の育成に加えて、それぞれのクラブの子どもたちは、スポーツ大会や森林保護、生物の多様性をテーマした話し合いを通じて、交流を深めています。
分水地点総合管理トレーニング
5つの農家グループを対象に、分水地点総合管理トレーニングが3回行われました。トレーニングには、男女あわせて93人が参加しました。参加者は分水地点総合管理の概要と重要性を理解し、また小規模灌漑用貯水池の造成についても学びました。
森林再生プロジェクト
植林用の苗木10,000本が3つの農家グループに支給されました。残りの苗木は11月第1週にその他の農家グループに配布される予定です。植林地では区画割りと植穴の掘削作業が進められており、11月中にはすべての植付けが完了する予定です。
保護地区のモデル学校のモデル庭園
モデル庭園の造成に必要な整地用と灌漑用器具が2校に支給されました。整地作業に続いて、区画分け作業と生垣の設置が完了し、植林に向けた準備が着々と進んでいます。

エタウェラゴレワ コミュニティ
の子どもクラブが管理して
いる苗床 |

マハディウルウェワ小学校では、たい肥を作るコン
ポスト(左)と生垣(右)ができました。 |

植林地の整備と区画割りも進められています |
もっと知りたいスリランカ(2)「スリランカの紅茶」
かつてセイロンと呼ばれていたスリランカの紅茶は、「セイロンティー」として有名です。
スリランカでの紅茶の歴史は19世紀にさかのぼります。イギリス植民地時代はコーヒーが栽培されていましたが、1870年代後半にコーヒーの木が害虫による大打撃を受けた後、コーヒーに代わって紅茶の木が植えられたのが始まりです。コーヒー農園の跡地に紅茶の木が植えられ、大規模な農園が次々と誕生しました。
強い日差しと涼しい気候の山岳地帯は、紅茶の生産に適しており、主に島の中央山岳地帯と、東南端の平地で紅茶が栽培されています。農園のある場所の標高により、紅茶は「ハイグロウンティー(高地産茶)」、「ミディアムグロウンティー(中地産茶)」、「ロウグロンティー(低地産茶)」の3つの種類に分類されています。中でも、ウバ、ヌワラエリア、ディンブラで採れるハイグロウンティーは、セイロン紅茶の中で最高級品とされています。

紅茶農園。女性たちが紅
茶の葉を摘んでいます。 |

紅茶の木。葉の摘み取りは、プラッキングといわ
れ、芯芽とそのすぐ下の若葉2枚を収穫します。
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紅茶農園の近くにある紅茶製造工場。
下から風を送り摘み取った生葉を萎れ
させます。 |

工場で働く女性。さまざまな工程を経て
出来上がった紅茶は市場に出荷されま
す。スリランカの紅茶生産量は、インド
に次いで世界第2位、輸出量は世界第1
位です。 |