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掲載日:2008年11月5日

有機農業の全国ネットワーク、先駆的組織マルタ発祥の地
「田浦マルタ 公開確認会」を開催しました
パルシステムは10月23(木)、24(金)の2日間、柑橘類の産直産地「田浦マルタ」(熊本県)で、公開確認会を行いました。パルシステムの組合員・役職員等24名、生産者他を含め、合計81名が参加し、ほ場視察や各種帳票類の確認を行い、食の安全を確認しました。

鶴田会長と監査人のほ場
視察の様子

 パルシステムでは、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者がともに公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より行っています。 これまでの8年間で、海外を含め77カ所の産地をのべ約6,100名の生協組合員が訪れました。

 2008年度は、米やりんご、牛肉などの産地で合計7回の「公開確認会」を予定しています。


■「甘夏みかん」をきっかけに発展した産直産地、田浦マルタ

 田浦マルタの沿岸はリアス式海岸のため、海からすぐ急斜面の山となり平野が少なく米が採れず半農半漁の貧しい村でした。それを変えたのが「甘夏」栽培の導入です。「甘夏」は大分でみつけられた夏みかんの枝変わりで、これをマルタの先代の会長である鶴田源志氏が田浦に持ち込み育成・普及し、「甘夏」の一大産地を作りました。

 田浦マルタは、鶴田有機農園と個人1名で構成され、商品管理などは、鶴田有機農園が担っています。


監査人に柑橘の病気について話す
鶴田会長

■全国ネットワークの(株)マルタ発祥の地、田浦マルタ

 (株)マルタは1975年に熊本県田浦地区周辺と鹿児島の柑橘生産者が集まりマルタ柑橘生産組合として発足しました。「有機農業を農の主流に」をモットーに、土作りと味にこだわる農業者集団として、環境保全に配慮した持続可能な農業の実践と普及に取り組んでいます。田浦マルタを発祥の地とするマルタ生産者のネットワークは、現在、北海道から沖縄まで全国約100地区までに広がっています。


■「田浦マルタ」公開確認会

 10月23日(木)、24日(金)今年度6回目となる公開確認会は、熊本県の田浦地区の田浦マルタにて、81名の参加者を集めて開催されました。この「田浦マルタ」公開確認会は、22日に監査人の事前監査(ほ場および選果場監査)、23日午前の帳票監査、午後に一般参加者を含めて産地プレゼンテーション、24日にほ場視察と公開確認会のまとめを行いました。


農薬管理庫の中を視察する参加者

監査人の書類監査の様子



■土づくりのための堆肥の品質を重視した農業

田浦マルタの「鶴田有機農園」
鶴田ほとり社長

 23日には、産地からのプレゼンテーションが行われ、(株)マルタや田浦マルタで行われている取り組みの内容が紹介されました。

 マルタによる自主制作映画、土壌微生物の生態を映像化した「根の国」の一部が放映され、農薬を減らし、土づくりをすることの大切さを映像を通して知ることができました。また、15種類ほどの多種多様な有機物を混合し醗酵させ、独自の技法で仕上げた「モグラ堆肥」を使用するなど、田浦マルタの、土作りのための堆肥の品質を重視した取り組みが紹介されました。また、「虫食いキャベツは、有機農業のシンボルではありません。土づくりを大切にすれば、おいしくて病害虫にも強いものができます」との産地の熱き思いも語られました。



■全国農業コンクールで名誉賞を受賞した田浦マルタの生産者

監査所見報告の様子

 また、(株)マルタではITを駆使し、全国にあるマルタの各産地の農産物の販売、栽培管理しているほか、お互いが栽培方法を共有しあえる体制もとっています。

 その他にも、田浦マルタは「品質」の統一及び継続的向上を目的としたGAP(適正農業規範)の手法を取り入れるなど先進的な取り組みを行い、「エコ」や「特別栽培」などに力を入れています。

 こういった一連の取り組みが評価され、田浦マルタの生産者である「(有)鶴田有機農園(代表取締役社長:鶴田ほとり)」が、第55回全国農業コンクールでは名誉賞(農林水産大臣賞、毎日新聞社賞)を受賞されました。


■栽培方法やほ場を生協組合員が確認

高齢化が進み、耕作されない
果樹園が増えている

 最終日の24日には、田浦マルタの鶴田有機農園の農薬管理庫やレモンやデコポンなどのほ場を数ヶ所視察した後、「公開確認会のまとめ」を行いました。

 ほ場は急斜面ばかりでしたが、参加者からは「園地がとてもきれいに手入れされていた」「農薬保管庫やその他の資材もきちんと整理されていた」との意見と、「柑橘の一大産地なのに、放棄地が増えていて非常に残念」との声がありました。

 公開確認会のまとめでは、監査人から、「書類や帳票類が多いにも関らず、しっかり管理されていた」「記載ミスへの対策として、月に最低1度記帳確認をされていることはすごい」「土から農業がよくなり、食べ物で健康になる、ということの原点だと思った」、「個人経営ではできないようなビジネス管理を生産者と一緒にやっていく、新しいスタイルの農業のますますの発展を期待しています」などの意見が出されました。

 最後に、(株)マルタの鶴田志郎会長が「高齢化や自給率の問題、そして後継者含め農業のこれからを考えていく場を、生協とともに作りたいと思います」と挨拶され、終了しました。


収穫の時期を迎えたレモンのほ場

甘夏などは背が高くなるので、木の枝に
登って作業を行います





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