【資料】
※特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド(HFW)
飢餓のない世界を創るため活動する国際協力NGO HFWは、日本に本部を置き、バングラデシュ、ベナン、ウガンダに支部があるほか、ブルキナファソ準支部、青少年組織ユース・エンディング・ハンガーのネットワークを含む5カ国で活動しています。開発途上国では、さまざまな分野で成果をもたらす開発事業を、世界中においては飢餓を自分自身の課題として考え、行動することを呼びかける啓発事業を実施しています。
特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールドとは…(新しいウィンドウで開きます)
<有機農業研修センター開設・運営プロジェクトの進捗状況>
現在HFWでは、地域住民と協力して下記のような準備を進めています。
1.有機農業センター設立決定のセレモニーが開催されました。
2008年8月12日、日本からの視察者3名を含む約500名の村民が参加して有機農業センター設立決定のセレモニーが開催されました。ムンディア村(センター建設予定地)を外国人が訪問するのは初めてのこととあって、村を挙げての盛大な式典が催されました。式典では、マンゴーやライチの記念植樹や村の若者による歌も披露され、村民たちの有機農業センター建設に対する期待は最高潮に達しました。

セレモニーに集まった村の人々。老若
男女を問わず多くの人々が集まりまし
た。 |

歌と演奏を披露している若者。有機農業
センター事業には若者も積極的に参加
できるよう、働きかけていきます。 |
住民の声:
この村に有機農業センターができるのだとあらためて実感しました。これまで、たい肥コンポストや有機農業のことについて聞き、たい肥プラントは自分にもできるということも学びました。今まで、私たちにはたい肥プラントや有機農業に関する知識がなく、とても難しく自分たちにはできないと思い込んでいました。今度は、実際に有機農業を開始できるような研修に参加したいと思います。
(ミール・ホサインさん ムンディア村)
2.建設用地の購入

購入した土地。奥に見える背の高い
作物はサトウキビ。
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新たに約330坪の土地を購入しました。これまでに購入した土地は合計約1500坪です。センターの建設には、少なくとも3600坪を確保する予定です。
3.その他
(1)ムンディア村にウィメン・エンディング・ハンガーが結成されました。

農家の人たちの集会。少しずつ有機農
業への理解が浸透してきています。 |
有機農業センター建設をきっかけに、これまでHFWが活動していなかったムンディア村でも活動を開始しました。最初の活動として、村にウィメン・エンディング・ハンガー(WEH)という女性たちによる自助組織を結成。メンバーは30名。有機農業センター事業を成功させるためには、住民の意識改革や啓発が重要です。女性の社会的地位が低いバングラデシュで、HFWは女性たちのグループを作ることによって、女性たちの声を村づくりに反映できるように支援しています。HFWでは、今後、女性に引き続き、若者たちのグループや農家の人々の協同組合づくりを支援し、地域のさまざまな人が有機農業センターでの活動に積極的に参加できる仕組みづくりを行っています。
(2)9ヵ村30名の農家を対象にミミズたい肥コンポストの研修を実施しました。

有機農業で大成功している
ヘラルさん。これから有機農
業をはじめようとする農家の
お手本であり、有機農法のア
ドバイスもしています。
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ミミズたい肥を利用した有機農業を実践して大成功を収めているヘラルさんを講師に、30名の農家がミミズたい肥づくりの実践的な研修を受講しました。
これまで有機たい肥を利用したけれども、作物が乾燥してしまったり、材料をただ混ぜて作物に与えていたため有機肥料の効果を最大限にできていなかった農家も参加。ミミズたい肥づくりが成功する秘訣に聞き入っていました。
ムンディア村でもトレーニングを実施してほしいという住民からの要望が寄せられており、来年度よりムンディア村でも順次実施していく予定です。
住民の声:
3ヵ月間、有機たい肥を育苗に利用してきました。化学肥料を買わなくてすむので、生産コストは減りました。でも、私のコンポストはヘラルさんのように上手くできず、ときどき作物が乾燥してしまい、その理由がわかりませんでした。
この研修を受けて、コンポストを準備する手順が間違っていたことがわかりました。いまでは、正しい手順でコンポストをつくり、苗も元気に育っています。
(ジンナーさん アルアショウラ村)
■今後の予定
- 建設用地の購入。来期は400坪確保予定。
- ムンディア村の基礎調査の完了
- HFWバングラデシュ職員による現地訪問 週1回
- センター建設計画の策定
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