「森林再生プロジェクト」は、パルシステムが、世界各国で活動している国際NGOプラン・ジャパンと提携し、パルシステム独自の国際支援活動としてスリランカで環境教育・森林再生を目指して取り組んでいるプロジェクトです。
お預かりした346万4400円のカンパは、三ヵ年の計画の中で、分水地点管理、環境保護啓発活動、植林・森林管理、農業指導などさまざまな活動に使われていきます。ご協力ありがとうございました。
プラン・ジャパンより、スリランカ現地の近況報告が届きましたので、ご報告させていただきます。
スリランカにおける森林再生プロジェクト 進捗ご報告書(2008年8月)
スリランカは、9月になると雨季を迎えます。プロジェクトでは雨季の始まる9月の植林開始を目指して、苗木の育成が順調に進められています。また、子どもたちと住民を対象に、苗床管理や分水地点管理などに関するトレーニングも行われています。
森林農業活動と農家の選定
森林農業活動を行う農家の選定が進められ、これまでに15の農家が決定しました。選ばれたそれぞれの農家には、活動内容についてオリエンテーションが行われました。また、3つのコミュニティで苗床の管理をしている人々の中から、苗床管理の責任者として1人が選ばれました。
子どもクラブによる森林再生プログラム
これまでに5つの子どもクラブが設立され、各子どもクラブのメンバーは植林用の苗木を育てることになりました。苗木を育てるために必要な資材はプランが提供しました。また、子どもクラブの結束を強めるため、学校が休みの日にはスポーツ大会などが行われました。
分水地点総合管理トレーニング
パラナ・ハルミレワコミュニティでは、農家グループと子どもクラブのリーダーを対象に、2日間の分水地点総合管理トレーニングが2回行われました。トレーニングには、あわせて70人が参加しました。参加者はこのトレーニングで、自然資源保護に関する知識を身につけました。また、分水地点管理について、分水地点総合管理の概要、プロジェクトの計画、分水地点管理における政府とコミュニティの役割など、農家のリーダーと子どもクラブのリーダーとして理解しておくべき事柄を学びました。
森林局との森林再生プロジェクトについての話し合い
2008年8月20日に、森林局とプラン・スリランカ、パートナー団体の代表者が集まり、これから訪れる雨季に備え、植林地の選定方法、それぞれの苗木の植林地、カダワス・ランベワ コミュニティの貯水池の防火帯つくりについて話し合いました。
森林局が管理する苗床では3万本の苗木が育てられていますが、育った苗木は9月に植林地に配布される予定です。これらの苗木は、植林後80%が確実に生育するよう管理されます。
保護地区のモデル学校3校のモデル庭園
モデル学校に選ばれたエタカダ、マハディウルウェワ、パラナ・ハルミレワの3校で、モデル庭園の整地が終わり、庭園設立に必要な資材を購入しました。
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パラナ・ハルミレワコミュニティで行われた、農家グループと子どもクラブを対象にした分水地点総合管理トレーニング。おとなも子どもも、積極的にトレーニングに参加しました。 |
もっと知りたいスリランカ「スリランカの世界遺産」(1)
スリランカは北海道を一回り小さくしたほどの小さな国ですが、古代から仏教王国として栄えてきました。そのため、ユネスコによって採択された世界遺産が7箇所も登録されています。今からおよそ2500年以上も前にスリランカ最古の都となったアヌラーダプラ、約300年間王朝最後の都市の役割を果たしたキャンディ、巨大な涅槃仏のあるポロンナルワ、高さ195メートルもある岩山中腹の洞窟に美女の壁画が描かれたシーギリヤ、石窟寺院のあるダンブッラ、オランダ人によって作られた町並みが残るゴール、唯一の自然遺産として熱帯雨林があるシンハラージャ森林保護区です。
標高300メートルほどの山々に囲まれた古都キャンディには、仏陀の歯が安置されている仏歯寺があります。キャンディの町の中央に位置するこの寺には、絶えることなく参拝者が訪れます。寺はキャンディ湖のほとりにあり、湖面には仏歯寺の姿が美しく映し出されています。
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毎日多くの人が訪れる仏歯寺とキャンディ湖 |
なお、スリランカの文化を初めて本格的に紹介する特別展「スリランカ−輝く島の美に出会う」が2008年9月17日〜11月30日まで東京国立博物館で開催されます。