■食と農を結ぶ活動が評価されました

抱負をしたためた色紙を片手に
あいさつする山本常務 |
農協人文化賞は、社団法人農協協会が1988年に創設し、これまで一般文化部門、共済事業部門など247名が表彰を受けています。今年は30回目を迎えたことを記念し、特別賞2名を含む18名が受賞しました。
そのなかで山本常務は、パルシステムにおける産地交流などの活動から「その考え方は本当の意味での生産者と消費者の協同であり、生協と農協の協同組合間提携を実現した」と評価され、一般文化部門での受賞が決まりました。
受賞者紹介であいさつした山本常務は「生協は『食』を事業の柱としていますが、『農』がなければ活動できません。生協と農協がともに歩んでこそ、日本の未来が切り開けると考えています。これからも同じ協同組合として連携、協同していきましょう」と述べました。
■記念シンポジウムではパネリストとして参加

耕作放棄地や地域づくりをテーマに
討論しました |
その後開催された記念シンポジウム「明日のJAの活性化への戦略を提言する」でも山本常務はパネリストとして参加しました。
最初の「耕作放棄地をなくすには」のテーマでは、各パネリストが牛を放して耕作放棄地に生える草をなくす「レンタカウ」や直売所の活用、生産者の健康維持といったそれぞれの活動を紹介しました。そのなかで山本常務は、パルシステムが展開している「100万人の食づくり」運動を紹介し「食べる人は農協の規模や経営でなく、その産品がどれだけ安全でおいしいものかに興味があります。その視点を忘れないように心がけなければなりません」と、食べる人を増やすことができなければ耕作放棄地は減らせないとの基本的な考えを示しました。
■農協と生協が協同した成功モデルの挑戦を提起
また次の「地域づくり」のテーマでは、産直品を原料としたパルシステム商品を開発する上で困難となっている加工場の確保を挙げ「工場の相次ぐ海外移転で、産地の近くに加工品を製造できる施設が少なくなってしまいました。食料があまる時代ではなくなり、大量生産、大量販売から転換する時期に来ています」と現在の状況を説明し、「こうしたときだからこそ、農協と生協が協同で農産品の生産から加工まで一貫した成功モデルをつくりだすことができるのではないでしょうか」と問題を提起しました。
最後に、農協人文化賞選考委員会の今村奈良臣委員長(東京大学名誉教授・JA−IT研究会代表委員)は「本当に働いた人が報われるシステムを構築することで、近年は耕作放棄地のない農協も増えています。裏作や加工品の開発で、新しい時代の農協をつくってください。もちろん、販売するパルシステムの協力にも期待しています」と総評しました。
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