■「消費者庁」の設立へ向けて活動する「ユニカねっと」
パルシステムのほか、悪徳商法の被害者や消費者団体、弁護士、司法書士など53団体で構成される「ユニカねっと」は、消費者が主導権を持って消費者の保護や権利を実現する「消費者庁」の設置を求めて活動している団体です。
消費者の目線に立って強い権限を行使できる組織を一日も早く、確実に実現するために全国各地で学習会や署名活動などを展開しています。
■「全国集会」で「消費者庁」のあり方について認識を共有

300人あまりが集まった
全国集会(三宅坂ホール) |
5月27日(火)の「全国集会」には307名が参加し、これまでの消費者行政一元化問題について、議論の流れを確認し「消費者庁」のあるべき形について認識を共有化するとともに、今後の活動を確認しました。
開会あいさつでは阿南久代表幹事(全国消費者団体連絡会)が「日本では、消費者が製品事故に遭っても相談先が分からないという、異常な事態が続いてきました。この集会をステップにさらに大きな世論をつくっていきましょう」とあいさつしました。
また、パロマガス湯沸かし器事件や多重債務で実際に被害に遭った方からお話しをうかがい、それを基に新組織があった場合、どう対処できたかについて報告がありました。
続いて、新組織ができた後の地方の消費者行政のあり方や政府の消費者行政推進会議の課題、新組織設立に際して移管すべき法律について問題提起がありました。「中央での話と解釈され、地域での関心が薄い印象を受けました。もっと議論を盛り上げ、消防士や警察などと同じくらい、地域になくてはならない消費者行政としていきましょう」との意見も出されました。
集会には、与野党から9名の国会議員が駆けつけ、参加者への激励と新組織設立へ向けた決意表明がなされました。
■5月30日には「消費者庁設立問題」をめぐる意見交換会を行いました

森まさ子参院議員
(パルシステムの意見
交換会にて) |
また、5月30日(金)には、パルシステム連合会本部(東京・文京区)に、「消費者庁」設立へ向けて中心的な役割を担う森まさ子参院議員をお招きし、本部や会員生協の役・職員、消費者相談担当者など、およそ40名が参加し、意見交換会を行いました。
パルシステムの若森理事長は「生協の社会的役割は、集団的私益を超えた“よりよい社会”の構築にあります。食だけでなく、広く社会の問題に取り組んでいくべきです。高度経済成長時代の効率や利益優先の社会が置き去りにした問題が消費者被害などに表れています。パルシステムは、消費者一人ひとりに寄り添いながら、『消費者庁』設立への論議を重ねていきます」と述べました。
森まさ子参院議員は、「最近、CSR(企業の社会的責任)ということがよく言われますが、企業活動そのものが消費者の利益を守り社会に貢献するものであるべきです。食料自給率も低く、エネルギーもない我が国の再生のカギは、他者への“思いやり”“優しさ”を持った国民性にあると考えます。
この点で『心豊かな共生の社会』の実現をめざすパルシステムの取り組みに大変、期待しています」と述べられました。
また「真の自由主義経済にはルールがあるべきです。違法収益を剥奪し、被害にあった消費者にそのお金をお返しする新たな消費者行政の実現をめざします。徹底したコンプライアンス制度を取り入れ、ホームページなどで随時、活動を紹介するなど透明性のある組織にしたいと考えます」と「消費者庁」設立に向けた抱負を述べられました。
質疑応答では、パルシステム「くらしの相談センター」で相談員を務める職員より「神奈川県で消費者の相談に答えてきた現場の実感として、直接、消費者の相談を受ける地方行政窓口を整備していく必要があると思います」との意見に対し、「消費者行政を担う新組織は、国民の生命・財産を守ることを使命とする消防法にならい、全国どこでも同等の恩恵を受けられる地域間格差のないものにしたいと考えます。そのために予算増などによる地方行政の整備・改革をすすめていきたいと考えています」と力強く述べられました。
消費者庁設置をめぐるこれまでの取り組みは下記をご覧ください。
パルシステムは「消費者庁」設置を求める全国一斉街頭宣伝行動に参加しました(2008年5月21日ニュース)
院内集会「作ろうよ!消費者目線の新組織」開催しました(2008年4月25日ニュース)
「消費者庁設立に向けた学習会」を開催しました(2008年2月28日ニュース)
<参考>
ユニカねっとホームページ(新しいウィンドウで開きます)
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