■製造者と消費者が工場の改善情報を共有しました

会場の全林野会館には97名の
参加者が集まりました
2007年度に開催した6工場での「工場の公開確認会」の報告会を、4月17日(木)全林野会館にて行いました。会場には生協組合員や役職員など93名の参加がありました。
パルシステムでは、食品製造委託工場の品質管理向上と評価を進めるため「工場の公開確認会」(下記資料参照)を行っています。昨年度は、2007年6月から2008年3月の間に6つの工場へ、のべ30名の組合員と職員の監査人が訪れました。
報告会では、各工場の担当者からあらためて工場の概要や品質管理の取り組み、製造商品のこだわりや特徴についてお話しいただきました。毛髪混入を防止するためエアシャワー内の静電除去システム導入や、作業ルールの整理によって品質管理が徹底されたことなどが報告されました。
公開確認会に監査人として参加した組合員や職員からは、工場を訪れての所見が発表されました。「想像以上に管理が徹底していて驚きました」など、概ね評価は高く「指摘事項に対しても『すぐ改善します』と気持ちよく答えていただきました」「改めてパルシステム商品の品質の高さを実感することができました」などの所見が述べられました。
■工場の公開確認会は「今まさに求められている取り組み」

総評する食品安全コンサルタントの
渡邉清孝先生
主催者である「工場の公開確認部会」の藤井洋子部会長(ドゥコープ理事)は、あいさつの席で「製造側からすれば、部外者が工場内に入るだけでもリスクの高いことです。それだけでなく、監査のために時間を割いて丁寧に対応してくれました」と確認会を受け入れた工場に感謝し「これまで地道に続けてきた公開確認会は、今まさに求められる活動になってきています。参加できなかった100万人の組合員にどう伝えるか、思いをはせながら臨んでください」と期待の言葉を述べました。
総評では、商品活動委員会の吉森弘子委員長(東京マイコープ理事長)が「報告を聞いて、キーワードは“想像力”と“当事者意識”だと感じました」と感想を述べ「食料自給率の問題を考えれば、原材料だけあっても加工する人がいなければ自給率は上がりません。これからもつくる人と食べる人が一緒に考え、つながっていきましょう」と呼びかけました。
食品安全コンサルタントの渡邉清孝先生は「指摘した点が早速改善されていた事例もあってうれしく思いました。監査した組合員にとっては、いままで抱いていた安全管理のイメージと異なる部分もあったのではないでしょうか。そのギャップを少しでも埋めて、合理的かつ冷静に判断できる消費者になってほしいと思います」と評価いただきました。
また、確認会を受け入れてくださった6つの工場に、感謝状を授与しました。パルシステムでは、今後も工場の公開確認会を開催し、製造者と消費者の相互理解と信頼を深めてまいります。
●報告工場一覧
報告工場 |
主対象商品 |
所在地 |
公開確認会実施日 |
ハチ食品兵庫工場
兵庫第4工場 |
「使えるカレー」
「クリームシチュー」など |
兵庫県宍粟市 |
2007年6月27日 |
タカナシ乳業群馬工場 |
「こんせんプレーンヨーグルト」
「こんせん低脂肪ヨーグルト」 |
群馬県高崎市 |
2008年2月22日 |
丸和油脂春日部工場 |
「毎日のマーガリン」
「マヨネーズはこれ!」 |
埼玉県
春日部市 |
2008年1月25日 |
日本ミルクコミュニティー
川越工場 |
「クリーミーヨーグルト」 |
埼玉県川越市 |
2008年2月29日 |
菊水堂 |
「ポテトチップス」 |
埼玉県八潮市 |
2008年2月14日 |
せいきょうのパン屋さん
岩槻工場 |
「酵母食パン」など |
埼玉県
さいたま市 |
2008年1月28日 |
(※参考)2008年度「工場の公開確認会」予定
- 一品香食品(福岡県糟屋郡=主商品「餃子にしよう」「きょうは春巻」)
- ちば醤油本社工場(千葉県香取郡=主商品「便利つゆ」)
ほかにも5〜6カ所程度の確認会開催を準備しています。
【資料】
■「工場の公開確認会」とは

消費者である生協組合員がパルシステム商品の工場を訪れ、商品が基準どおりに作られているか透明性を持って組合員に公表し、製造者と一緒になって食の安全を確認するシステムです。
2003年度に開始し、工場の製造管理の記録や衛生管理の取り組みについて点検確認しています。
2005年には「TASIQA(たしか)システム」※(パルシステム品質保証認定制度)を制定し、同システムに基づいた工場の公開確認活動を推進。5年間で開催した公開確認会は、2007年度の6工場を含め合計28工場となりました。牛乳、精米、肉加工工場など、対象工場は多岐にわたります。製造工場と消費者組合員の信頼関係の強化と、それに基づくパルシステムならではの商品利用の拡大定着、また商品事故の削減をめざします。
また、公開確認会の結果は、年に1〜2回開催する「工場の公開確認報告会」で報告しています。工場の責任者・組合員・生協職員が参加し、消費者である組合員が製造工場での品質管理の取組みや改善努力を知り製造者との相互理解と信頼を深める場となっています。
※TASIQAシステムとは
Trial(試み)Authorization(認証)for Safety(安全)Improvement(改善)and Quality(品質)Assurance(保障)system(制度)の略。パルシステム独自の品質保証制度。
<参考>
パルシステムの品質保証
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