■生産者と消費者が農法を学び、産地の取り組みを共有

講演する左氏
パルシステム連合会は、食料自給の向上に向けて有機農業を主流にした農業の取り組みと環境保全型農業の実現など、農薬削減に留まらない取り組みを生産者と消費者が共に考えながらすすめています。
その一環として、パルシステム生産者・消費者協議会(128団体・代表幹事 香取政典 佐原農産物供給センター常務理事、以下「生消協」)とともに「農法研究会」、「環境保全型農業推進会議全体会」を毎年開催しています。
■畜産の講演と「ふーど米研究会」の活動報告
1月17日、会場には、パルシステムの生産者や生協組合員など約310人が集まりました。
「第15回農法研究会」では、まず生消協の香取代表幹事が「食の偽装や飼料の高騰の問題で、生産者は大変に努力をしていると思います。今日は、畜産の現場で起きていることを中心に学び、問題を共有しましょう」とあいさつしました。また、パルシステム連合会の若森理事長は「パルシステムの社会的存在意義への期待が高まるなか、『産直と環境』『農を基盤とした食育』というスローガンを掲げ、消費者と生産者で共に議論を重ねて取り組みを広めていきましょう」とあいさつしました。
続いて環境リサイクル肉牛協議会の左 久氏より「どうなる日本の畜産−食肉生産からみた日本の畜産」と題する講演がありました。「飼料自給率23%の日本を直撃した家畜飼料の高騰により、輸入穀物依存の畜産生産を見直す時期にきています。今後の対応として、食料残滓飼料エコフィードなど国産飼料への転換、また飼料の変化による家畜品種の多様化を考える必要があります」と話されました。
パルシステムの豚肉の産直産地、ポークランドグループ(秋田県)の豊下勝彦代表からは、家畜飼料の高騰の原因がアメリカのエタノール産業拡大にあることがビデオを使って説明されました。さらに飼料の自給率向上をめざし、パルシステムとともに開発した国産飼料米で育てた豚「日本のこめ豚」※の取り組みが報告されました。
生消協の渡辺 均 米部会長からは、「ふーど米研究会」の2007年度の活動報告がありました。3回行われた研究会で、「第8回日韓中環境創造稲作技術会議」や日韓合同の「田んぼの生きもの調査」に参加したこと、ふーど米の生産が前年を200トン上回る700トンに拡大したことなどが報告されました。

会場の様子
■第10回環境保全型農業推進会議全体会
後半は「第10回環境保全型農業推進会議全体会」が開催されました。2007年に行われた6回の公開確認会、「こんせん牛乳」、「大潟村産地会議」、「榎本農場」、「トップリバー」、「トゥンカーワット農園経営農民会(タイ)」、「酪農家の牛乳(秩父乳業)」について、それぞれメーカーや生産者の代表からまとめや監査報告が発表されました。
また麻布大学准教授で生産産直研究者の大木 茂氏から「全ての関係者が産直を再確認する場としての公開確認会」と題する講演が行われました。
【資料】
<関連記事>
※「日本のこめ豚」について詳しくは以下もご覧下さい。
生協の社会貢献・地域活動 第36回 夢では終わらせない「飼料米という挑戦」
食料自給率向上のために、産直産地の国産米を飼料に配合 「日本のこめ豚」新発売!(2008年1月21日プレスリリース)
■2007年 公開確認会 開催実績
月日 |
企画名 |
対象品目 |
開催地 |
2月17日 |
JAちばみどり海上産直部会公開確認会 |
農産(野菜) |
千葉県 |
3月15・16日 |
こんせん牛乳公開確認会 |
酪農(牛乳) |
北海道 |
7月19・20日 |
大潟村産地会議公開確認会 |
農産(米) |
秋田県 |
9月20・21日 |
榎本牧場公開確認会 |
畜産(牛) |
北海道 |
10月11・12日 |
トップリバー公開確認会 |
農産(野菜) |
長野県 |
10月17〜22日 |
タイ・トゥンカーワット農園経営農民会公開確認会 |
農産(バナナ) |
タイ |
12月8日 |
酪農家の牛乳 公開確認会 |
酪農(牛乳) |
埼玉県 |
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