■秩父の酪農家の農場を視察

農場視察にて
当日はじめに、参加者はグループに分かれて生産者の引間照夫さんの農場と斎藤新一さんの農場を訪れました。秩父地区での酪農は自宅敷地内での小規模な経営が多く、引間さんはご夫婦で22頭の乳牛を世話しています。エサの説明のほか、毛並みや糞の状態をチェックして牛の健康を常に気にしていることなどの説明を受けました。また堆肥施設も見学しました。できた堆肥は地域の人や即売所に販売しているとのことでした。
■産地のこだわりを実感
その後は会場を室内に移しました。パルシステム連合会の山本常務執行役員より、「この公開確認会をきっかけに、生産者・消費者の直接の話し合いをより深めていきたい」とあいさつがありました。
続いて各関係団体からも挨拶をいただいた後、産地からのプレゼンテーションがありました。
商品のこだわりとして、生産者を限定していることや一般原乳より厳しい総菌数の目標を設定し、きめ細かな衛生管理を行っていることなどが説明されました。「酪農家の牛乳」は一般の牛乳と異なり、生産者から直接牛乳工場へ運ばれるとのことでした。
また、産地(酪農組合、秩父乳業(株))の理念、生産者の斎藤さんを例にした農場の概要や1日の作業、牛の健康管理、試行錯誤しながらエサ配合を行っていることなどが紹介されました。

「酪農家の牛乳」
さらに、製品の品質向上については、生乳中の耐熱性菌数検査など毎日の取り組みで早期の改善対応に備えていることなど話されました。
産地からの説明や各種帳票類などによる生産履歴の確認を経て、監査人からは「生産者が自信を持って生産していることが良かった。改善する部分は、消費者も一緒になって取り組んで行きたい」「HTSTに必要な良質な生乳であることを、細菌数の数値で確認できた」「小規模でも様々な工夫がされていることに驚いた」「『酪農家の牛乳』という名前のように、もっと顔の見える関係にしていきたい」といった所見が出されました。
最後に、産地を代表して自らも酪農家として生産をしている秩父乳業(株)の宮原誠社長より、「今回交流して意見をいただいたことを現場に持ち帰り、今後の牛乳につなげていきたい」と話しました。
■「タオル」贈呈式も開催
公開確認会の後、2007年2月に組合員のみなさんから寄せられたタオルの贈呈式を行いました。「酪農家の牛乳」の産地である秩父・児玉地区には、3万4887本のタオルと2400通強のメッセージが届けられています。贈呈式では目録の贈呈と、メッセージの代読がおこなわれ、生産者を代表して斎藤さんより「牛乳を搾る前にこのタオルが役に立っています」とお礼の言葉をいただきました。
*「タオルを贈る運動」について詳しくは下記をご覧下さい。
第22回「牛乳の生産者へ タオルを贈る運動」に取り組みます(2007年1月22日プレスリリース)

監査人が生産記録など帳票を確認

生産者の引間さん(右)の農場で

堆肥施設を視察

プレゼンテーションの様子

タオル贈呈式にて

監査人から所見発表
【資料】
パルシステムの「公開確認会」
パルシステム連合会では、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者が共に公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より行っています。この公開確認会は、商品が基準どおりに作られているか透明性を持って組合員に公表することにより、産直関係の絆をより強固なものにしてきました。また産地にとっては、内部の栽培管理体制を整え、農法のレベルアップを促す契機となるものです。
パルシステムがめざす産直四原則
(1)生産者が明らかであること
(2)生産方法や出荷基準が明らかで生産の履歴がわかること
(3)環境保全型・資源循環型農業をめざしていること
(4)生産者と組合員相互の交流ができること
■2007年度 公開確認会
月日 |
企画名 |
対象品目 |
開催地 |
7月19・20日 |
大潟村産地会議公開確認会 |
農産(米) |
秋田県 |
9月20・21日 |
榎本牧場公開確認会 |
畜産(牛) |
北海道 |
10月11・12日 |
トップリバー公開確認会 |
農産(野菜) |
長野県 |
10月17~22日 |
タイ・トゥンカーワット農園経営農民会公開確認会 |
農産(バナナ) |
タイ |
12月8日 |
酪農家の牛乳 公開確認会 |
酪農(牛乳) |
埼玉県 |
1月26日 |
茨城産直八千代支部公開確認会 |
農産(野菜) |
茨城県 |
2月19・20日 |
西宇和果実出荷組合公開確認会 |
農産(果実) |
愛媛県 |
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