■新規就農者支援も行う青果の産地「トップリバー」

レタスのほ場にて
今回の対象の(有)トップリバーは、直営農場と契約生産者からレタスやキャベツなどを出荷しています。さらに、トップリバーは農業をめざす人材の育成に力を入れており、現在十数名が研修に励んでいます。今回の公開確認会では、生産物の栽培状況や生産履歴管理の確認とともに、若き就農希望者が集うトップリバーの魅力も確認しました。
■公開確認会 当日の内容
開会にあたり、パルシステム連合会の野村産直事業部長から「パルシステムは生協として生産者と消費者の提携から産直を打ち出してきました。公開確認会では多くの方の前で産直を確認していきます。今回、農業・食料の転換期で厳しい現状の中、若い生産者が農業に興味を持って始めているという体制をパルシステムとしても確認していきたい。」と、またトップリバーの嶋崎社長からは「トップリバーでは、経験も土地も設備もなくてもやる気のある就農希望者を育成している。研修生たちが独立した際には、組合員のみなさんには消費者として、他産地の方は仲間として応援してほしい」とあいさつがありました。
産地側からプレゼンテーションをいただいて理念や組織概要、栽培基準を確認し、新規就農者の人材育成を今後拡大していくという想いを聞いた後、一行はレタスとキャベツのほ場へ。収穫を控えた野菜を前に、標高1000mでの気温の高低差によって甘みが出ることや堆肥の工夫などについて説明を受けました。
■参加者からトップリバーへ評価の声
ほ場や冷蔵施設の見学後は会場にもどり、監査のまとめがなされました。参加者からは、JGAPを取り入れるなど細かいところにも取り組んでいることや、パルシステムとの取引比率が大きくはないという中でエコ栽培を行う生産者が多いこと、しかも農家をめざす若い人が取り組んでいることについて評価したいという声が上がりました。また、「今後50名、100名を育てる自信あることは立派、ぜひ頑張ってほしい。」「新規就農はある意味モデル的なシステムであり、評価すべき点。また、高齢化で農業を維持できない地域問題の解決の糸口につながっているという明確な方向を打ち出している。」など、特に人材育成について高い評価がされました。
一方で、今後のトップリバーに対して、「集中した研修で難しいかとは思いますが交流の受け入れをぜひ検討していただきたい」といったことや、「内部監査の仕組みをマニュアル化していただくとよいのでは」など希望の声も監査人から述べられました。
次代の農業を支えたいという就農希望者が集うトップリバーに、参加者は期待を高めていました。

監査人が栽培管理帳票などを
確認

プレゼンテーションの様子

収穫を控えたレタスほ場

キャベツのほ場にて

同封される産地カードも確認

監査人(主に前列)とトップリバー
のみなさん
【資料】
■パルシステムの「公開確認会」
パルシステム連合会では、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者が共に公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より行っています。この公開確認会は、商品が基準どおりに作られているか透明性を持って組合員に公表することにより、産直関係の絆をより強固なものにしてきました。また産地にとっては、内部の栽培管理体制を整え、農法のレベルアップを促す契機となるものです。
■パルシステムがめざす産直四原則
(1)生産者が明らかであること
(2)生産方法や出荷基準が明らかで生産の履歴がわかること
(3)環境保全型・資源循環型農業をめざしていること
(4)生産者と組合員相互の交流ができること
■2007年度 公開確認会
月日 |
企画名 |
対象品目 |
開催地 |
7月19・20日 |
大潟村産地会議公開確認会 |
農産(米) |
秋田県 |
9月20・21日 |
榎本牧場公開確認会 |
畜産(牛) |
北海道 |
10月11・12日 |
トップリバー公開確認会 |
農産(野菜) |
長野県 |
10月17〜22日 |
タイ・トゥンカーワット農園経営農民会公開確認会 |
農産(バナナ) |
タイ |
12月8日 |
秩父乳業(JA埼玉酪農)公開確認会 |
酪農(牛乳) |
埼玉県 |
1月26日 |
茨城産直八千代支部公開確認会 |
農産(野菜) |
茨城県 |
2月19・20日 |
西宇和果実出荷組合公開確認会 |
農産(果実) |
愛媛県 |
【参考】
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