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掲載日:2007年8月8日

田んぼから生物多様性を考える
「第2回 日韓生きもの調査交流会」を行いました
8月5日(日)、栃木県の杉山農場(塩谷町)にて「日韓 生きもの調査交流会」を行いました。これは8月3日(金)〜6日(月)、栃木県宇都宮市で開催された「第8回日・韓・中 環境創造型稲作技術国際会議」の一環として行われたもので、韓国の生協関係者約20名、国内からは、パルシステム連合会も参加する「田んぼの生きもの調査プロジェクト(※1)」メンバーなど約40名が参加しました。

カエル調査の様子

パルシステムでは、“食は自然の循環、生きものとの共生のなかにあり、多様な生態系のある水田づくりこそが、安心な米づくりに繋がる”との考えから2004年「田んぼの生きもの調査」を4産地で実施、2005年には「田んぼの生きもの調査プロジェクト」を立ち上げ、応援してきました。この取り組みは2007年には11産地に広がっています。

 今年で8回目となる「日・中・韓 国際稲作会議」においても、昨年初めて韓国で「韓日 田んぼの生きもの調査」が行われ、生きものと水田・農法との密接な関係が認識され、広がっています。

 今年も同国際会議中の8月5日、杉山農場(栃木県塩谷町)「第2回 日韓生きもの調査交流会」が開催されました。

 杉山農場は日光連山から流れる荒川に隣接する約30haの有機水田で、農薬による健康被害をきっかけに環境保全型農業に転換しました。冬でも田んぼに水を入れるふゆみず田んぼでは、水田脇にこの地域の水田固有の生態系のビオトープを設置し、水田生物の復活に取り組んでいます。

 生きもの調査では、韓国チームと日本チームに分かれ、調査に使う水温、酸度PH、溶存酸素量などの計測機器について説明を受けた後、カエル調査とイトミミズ、ユスリカなど土の中の生きもの調査を中心に行いました。田んぼの害虫を食べるカエルの調査はカウンター、図鑑を手に田んぼの畦をゆっくりと歩き、畦にいるカエルと畦から飛び込むカエルを種類別に数えます。土の中の生きものはコドラードという20cm×50cmの木枠を用い、田面の5か所から表層の泥を採取、生息する生きものを数え、田んぼの単位面積あたりの生息数に換算します。

環境指標となるタイコウチ

 採取後、バットに並べられた、ドジョウ、ユスリカやカゲロウの幼虫、ゲンゴロウなどをみんなで観察しました。特に田んぼの生態系の頂点にいるともいわれるタイコウチの存在で、この田んぼの生きものの豊かさや多様性が分かり、参加者も驚いていました。最後に田んぼの土づくりや雑草の抑制に欠かせないイトミミズ、ユスリカを数え記録しました。

 夕食懇親会では、韓国プルム生協の代表者より韓国内で広まりつつある田んぼの生きもの調査についてスライドを使っての説明がありました。実行委員会のNPO法人田んぼの岩淵成紀理事長からは、当日の調査結果の報告がなされました。

 韓国の全羅道親環境農業人連合会の姜大寅会長は「カエル、ユスリカ、どじょうなど韓国の田んぼと同じ生きものがいて、生命が生きている有機農法の田んぼの様子に感動しました。多様な生きものを生かす有機農法の素晴らしさは農業家だけではなく、消費者に理解される事が大切です」との感想でした。


【資料】


(※1)田んぼの生きもの調査プロジェクトについて

パルシステム連合会では長い産直交流のなかで各産地で自然観察会などに取り組んできましたが、2004年に「田んぼの生きもの調査」に発展させ、4産地で実施しました。2005年にはNPO法人田んぼ(岩渕成紀代表)、NPO法人民間稲作研究所(稲葉光國代表)、JA全農、(社)農村環境整備センターと共にこの五者を中心に全国センター「田んぼの生きもの調査プロジェクト」を結成し、現在に至っています。また、2007年には「田んぼの生きもの調査」の実施を11産地(パルシステム産地)に広げ、中期的な計画を立て“ふーど米”を増やすなど、人と生きものに優しい自然循環機能を生かした農法への転換をめざしています。



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