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公開確認会と監査人講習会 〜食の安全を消費者が産地で確認〜 |

パルシステム連合会は、消費者である生協組合員自身が生産者といっしょになって農畜産物の安全性を確認する「公開確認会」に1999年より取り組んでいます。
また、公開確認会を充実させるものとして生協組合員、役職員、生産者を対象とした「公開確認会監査人講習会」を2001年より毎年開催し、中級講座の開設やフィールドワーク手法の取り込みなど、監査人のレベルアップを図っています。
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パルシステムの牛肉産地「ホクチクファーム」の協力で開催 |

2007年度一回目の「公開確認会中級監査人講習会」を5月11日(金)、東京都文京区の全林野会館にて開催しました。パルシステムの「根釧(こんせん)牛」の産地「ホクチクファーム」(北海道釧路郡)から生産者の佐藤彰さんをお招きし、初級監査人講習を修了した生協組合員ら約30人が畜産の監査について学びました。
まず、NPO法人日本オーガニック検査員協会参与の水野葉子さんからトレーサビリティ法や、生産情報公表牛肉JASなどの法律について講演がなされました。また、最後に監査人として生産者に質問する際は消費者組合員の代表という立場と役割を理解し、マナーを忘れないようにということをお話しいただきました。
続いて、パルシステムの畜産アドバイザーである獣医師の伊藤貢さんより畜産業の現状と、「パルシステム畜産生産指標」の説明がなされました。畜産業の現状については、燃料用エタノール需要の増大による畜産飼料高騰の懸念が話されました。
午後は、ホクチクファームの佐藤さんより経営理念や牛の導入から育成・肥育などの生産の流れについてお話いただきました。また、今回は疾病対策の都合で産地での現場講習ができませんでしたが、牛舎の様子を撮影したビデオで牛舎や堆肥場の風景、生育段階ごとの牛の姿などを細かく見ることができました。
その後受講者はグループに分かれ、帳票の確認と聞き取りによる模擬監査を行いました。生産方法や肥料などについて生産者に直接質問をし、監査結果を発表しました。生産者側からは「監査項目を一緒に見ていくことで、消費者が何を強く求めているのか、何がわからないのか、を知ることができたのは収穫だった」などの声があり、また受講者からは「産地の自己評価が悪い項目でも私たちの目から見るとよい評価をしたいものもあり、お互いを知るいい機会でした」との感想がありました。
パルシステム連合会産直事業部野村和夫部長より「今日学んだことを広めて欲しい。食というものを読み解く力があって初めて色々な問題が見えてくるはずです。その問題を生産者と一緒に考えるのが消費者の力であり、監査人講習会の役割だと思います」とまとめがあり、講習会を終了しました。
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