フードバンクと困窮者支援

生きるための
セーフティネットをつくる

経済の低迷やコロナ禍で、日々の食事にも困る人が増えています。パルシステムは、各地の支援団体と連携して、生活に困窮している人たちへの支援に取り組んでいます。

フードバンクなどに
食品を提供

パルシステムは、2008年に「年越し派遣村」へ食品を提供して以来、生活困窮者への支援に力を入れてきました。

2019年からは、輸送中の傷みなどの発生に備えた予備の青果や、組合員の注文に滞りなくこたえるために確保しているパンを、各地の子ども食堂やフードバンク、ホームレス支援団体などに提供しています。

支援団体に提供される食品は保存食が多いなか、パルシステムから届く新鮮な青果は支援先でも好評です。

パルシステムのセンターに届いた予備の青果やパンなどの食品を、生協の配送ネットワークを生かして提供しています。子ども食堂やフードバンクなどに約24万食、生活困窮者に約3万2千食を提供しました。 パルシステムのセンターに届いた予備の青果やパンなどの食品を、生協の配送ネットワークを生かして提供しています。子ども食堂やフードバンクなどに約24万食、生活困窮者に約3万2千食を提供しました。
提供する青果には、例えばバナナやミニトマトなどがあります。

青果の提供

24万食分[1]

産直産地から届いた予備品約48t を提供しました。

提供するパンには、例えばロールパンやこだわり酵母食パンなどがあります。

パンの提供

1万袋[2]

パルシステムのパン製造会社「パルブレッド」の予備品十数種を提供しています。

フードドライブで提供する食品には、各家庭から提供されたさまざまな未使用食品があります。

フードドライブ

13.6t[2]

家庭の未使用食品を各地域の生協で集めて寄贈しています[3]

  • 1.1食当たり200gで換算(2021年度)
  • 2.2021年度
  • 3.各地域の生協によって取り組みは異なります

176団体と連携

パルシステムが生活困窮者の支援のため連携しているのは2022年度で176団体。幅広いネットワークで、食品提供を中心とした活動に取り組んでいます。

東京都

新宿ごはんプラス

ホームレス状態の人や困窮者を支えるため、パルシステムを含む団体・個人の連携で始まった。毎週土曜日に都庁前で食料の配布、生活や医療の相談を行っている。
東京都

TENOHASI

東池袋中央公園で月2回炊き出しを行い、衣料の配付、福祉や医療の相談も行っている。さらに、路上で生活している人への食料配付や相談活動も続けている。
東京都

反貧困ネットワーク

貧困問題に取り組む市民団体や個人が集まって結成。大人食堂や相談会などの開催のほか、コロナ禍による緊急支援や生活に困窮する外国人の支援も行っている。
神奈川県

フードバンクかながわ

パルシステム神奈川を含む神奈川県内の12団体で設立。フードドライブに寄贈された食品などを、ひとり親世帯や外国籍の労働者など支援が必要な人に提供している。
千葉県

習志野子ども食堂ネットワーク

習志野市内で子ども食堂や食材の配付を行っている。パルシステム千葉や、パルシステムの畜産専門子会社「パル・ミート」(習志野市)が食品提供で協力。
埼玉県

埼玉県子ども食堂ネットワーク

埼玉県内の子ども食堂が集まって、お互いの連携や情報交換、食材の配布などで協力し合っている。パルシステム埼玉は、食品の提供などで協力。
茨城県

310(さんいちまる)食堂

水戸市内で毎月1回、子どもからお年寄りまで利用できる「まちの縁側」として始まった。パルシステム茨城 栃木と連携する「セカンドリーグ茨城」が運営に参加。
群馬県

フードバンクまえばし

地元の食料を届ける、地産地消のフードバンクをめざしている。パルシステム群馬が地元の中学校でフードドライブをサポートするなどして食品を寄贈。
山梨県

ニコニコかかし食堂

さまざまな世代がともに食事をする「地域食堂」として月2回開催。パルシステム山梨 長野の予備青果が、弁当の材料やフードパントリーに活用されている。
福島県

フードバンクいわき

東日本大震災の被災者や生活困窮者を支援するため始めた衣類の提供活動をさらに進めて、2018年からフードバンクを実施。パルシステム福島が組合員から集めた食品を提供している。

大人食堂って?

仕事や住まいを失った人などがとくに困る年末年始を支えようと、都内の団体が連携して2019年末からスタート。「年越し大人食堂」と銘打って、温かい食事と生活・労働相談を無償で提供しています。

パルシステムは2019~2020年の年末年始から都内で食品と会場を提供。コロナ禍の2021~2022年の年末年始には、「年越し大人食堂」をはじめ、各地の団体が取り組む活動にも協力して合計4,841食を提供しました。

組合員理事や職員、料理家が協力し、食事を提供しました。

Topic

なぜ?
拡大する生活困窮

バブル崩壊に加えて、2008年に起きた「リーマン・ショック」で日本の経済は悪化し、非正規労働者の「派遣切り」や「雇い止め」が広がりました。

長引く経済の低迷で深刻になっているのが貧困の問題です。日本では、2018年時点でおよそ16%の人が相対的貧困[4]の状態にあります。これは主要7か国(G7)のうち、アメリカに次いでワースト2位。子どもだけで見ると、7人に1人が貧困層とされています。

2020年に発生したコロナ禍と、2022年ごろから続く物価高が、こうした状況にさらに拍車をかけ、生活困窮は一層深刻になっています。

  • 4.世帯所得がその国の平均値以下の困窮した状態のこと

貧困率の推移

1985年には12.0%だった相対的貧困率は、2018年には15.7%に、1985年には10.3%だった子どもの貧困率は、2018年には13.1%になりました。

資料=厚生労働省(2020年)「2019年国民生活基礎調査の概況」をもとに作成。2018年はOECDの新基準の数値