国際産直とフェアトレード

海を越えて支え合う

国内での栽培がむずかしいものや、まかないきれない作物は、輸入に頼るのも選択肢のひとつです。パルシステムは海外の産地であっても、「作る人」と「食べる人」が支え合う“産直のつながり”を重視しています。

はじまりはバナナから

パルシステムの産直が国境を越えたのは、30年以上前。当時、フィリピンでは、バナナ農園における化学合成農薬の大量散布や、不公平な貿易摩擦による生産者の自立問題が深刻化しました。

パルシステムは、適正価格で継続的な取り引きを行うフェアトレードの考えのもと、産地の生活と環境の改善をめざし、1990年に化学合成農薬不使用の『エコ・バナナ(バランゴン)』の供給をスタート。国際産直を広げる一歩目を踏み出しました。

オルター・トレード・ジャパンとの協働

株式会社オルター・トレード・ジャパンは、1989年に首都圏コープ事業連合(現パルシステム連合会)などの共同出資によって設立された世界各地に現地法人をもつ事業団体です。

パルシステムとは、海外との産直協定やフェアトレード(民衆交易)商品の調達などを行い、ともに産地の自立支援や地域づくりに取り組んでいます。

オルター・トレード・ジャパンのロゴ

顔の見える関係をつくる
国際産直

パルシステムは、国内同様に、海を越えた地でも「顔の見える関係」を大切した国際産直方針を策定。生産・流通管理や交流を行いながら、現在は12産地と国際産直の協定を結んでいます。

Point

産直提携で重視すること

  1. 海外産地の商品も
    「安全・安心」が基本
  2. 環境保全・労働環境に配慮
  3. 交流会・公開確認会の開催
国産産直は9カ国12産地
フィリピン オルタートレード・フィリピン社

フィリピンオルタートレード・
フィリピン社(ATPI)

国際産直のはじまりとなったバナナの産地。ネグロス島で1980年代に発生した飢餓をきっかけに、生産者の自立支援のための会社を設立し産直を提携しました。収穫後の防カビ剤・防腐剤なども不使用です。

タイ バンラート農協

タイバンラート農協

栽培期間中収穫後を含め、化学合成農薬は不使用。コロナ禍以降、オンラインでの積極的な産地交流にも取り組んでいます。

インドネシア オルター・トレード・インドネシア社

インドネシアオルター・トレード・
インドネシア社(ATINA)

1980年以降、高密度の環境でエビを育てる「集約型養殖」が東アジアで拡大。人工飼料と抗生物質による環境汚染が問題になりました。『エコシュリンプ』は10分の1程度の密度で養殖し、エサは水草やプランクトンなどを使用しています。

スペイン オレオエステパ社

スペインオレオエステパ社

一般的には、栽培や搾汁・ブレンドなどの各工程を別々の会社で作られるなか、栽培からブレンドまでを産地で一貫管理しています。

そのほかの国際産直産地

タイ

トゥンカワット農園経営農民会

現地での干ばつ被害を克服するため、日本から生産者を招いて生産技術の向上や、灌漑設備を導入。
タイ

ジェイフレッシュセイカ社(JFS)

バナナの輸入会社パシフィック・トレードジャパン(PTJ)と提携する企業。現地でバナナの栽培や、生産者の管理を行う。
エクアドル

セリアマリア社

バナナの葉や茎を堆肥化し、土づくりに活用。国際フェアトレードを取得。
メキシコ

カラボ社

標高1,300~2,000m以上の高地のため昼夜の寒暖差が大きく、アボカド栽培の適地。同社が生産者と契約を結び、栽培を管理。
コロンビア

サマリア社

バナナ園の周囲に森をつくり、野生動物の通り道を確保するなど、自然環境との調和を守っている。
コロンビア

テケンダマ社

森林を切り崩すことなく、農地を再利用。自社農園で栽培したアブラヤシからパーム油を抽出し、パルシステム商品の多くに使用。
オーストラリア

カンガルー・アイランド・ピュア・グレイン社(KIPG)

世界的に貴重な、非遺伝子組換え菜種油の産地「カンガルー島」の生産者団体。『圧搾一番しぼり菜種油』の原料。
ニュージーランド

ゼスプリ

キウイ生産者が出資して設立した企業。現地で有機認証を取得し、環境に配慮した栽培を行う。

Topic

パルシステムの
フェアトレードショップ

インターネットショップでは『フェアトレードショップ』を展開。産直品に限らず、国際産地のくらし支援につながる食料品や雑貨をラインナップ[1]。フェアトレード商品への関心と、利用による支援の輪を広げています。

  • 1.商品には限りがあります
パルシステムで扱うフェアトレード商品