サステナブルなパーム油

森林破壊のない
資源をつくる

パーム油は、世界一生産量の多い植物油ですが、消費の拡大は森林破壊などの問題も引き起こしています。パルシステムは世界の森林を守るため、持続可能なパーム油への切り替えを進めています。

どう守る?
身近な油と森林

パーム油の使いみちはマーガリン、油、加工食品、洗剤・化粧品など多岐にわたります。

原材料欄の記載は、
植物油、植物油脂、ショートニングなど

味やにおいがなく、使い勝手のよさから世界中で使用されるパーム油。日本でも菜種油に次いで消費されています。

その原料は、熱帯地域で作られるアブラヤシ[1]です。近年、急速に農園が拡大し、森林破壊が深刻化。先住民や労働者の人権問題にも及んでいます。

しかし、問題はアブラヤシそのものではなく、「どう生産するか」にあります。環境と社会に配慮した持続可能な生産方式が求められています。

  • 1.ヤシ科アブラヤシ属の植物の総称。果肉と種の両方から油が採集できる
パーム油の使いみちはマーガリン、油、加工食品、洗剤・化粧品など多岐にわたります。

原材料欄の記載は、
植物油、植物油脂、ショートニングなど

限られた栽培地域による問題

アブラヤシは、赤道付近の熱帯地域という限られた地域でしか栽培ができません。そのため、熱帯雨林の伐採、森林火災、泥炭地開発などが拡大し、気候変動への影響が懸念されています。

パーム油の世界生産量の割合は、インドネシア58%、マレーシア25%、タイ4%、コロンビア2%、ナイジェリア2%となっています(主要生産国上位5カ国抜粋)。

資料=USDA「2024/2025 Palm Oil Production」より作成

産直提携で進む、
パーム油の切り替え

2017年からパルシステムでは、段階的に持続可能なパーム油へと切り替えを進めてきました。2019年には、自社農園にて持続可能な生産方式を採用するコロンビアの「テケンダマ社」と国際産直提携を締結。既存商品の原料切り替えやオリジナル商品の開発に力を入れています。

コロンビアの「テケンダマ社」と国際産直提携を締結
パルブレッドのパン

パルブレッドのパン

パルシステムのパン工場「(株)パルブレッド」では、パンをテケンダマ社のパーム油を原料としたショートニング[2]へ切り替えました。2023年には人気商品「国産小麦もっちり食パン」のショートニングを食用パーム油に変更。そのほか、マフィンで使用するミックス粉などにも使用範囲を広げています。

地球の未来にまじめなボディソープ

地球の未来にまじめなボディソープ

2021年に開発。石けんの原料となる油脂には、産直原料であるコロンビア産パーム核油とスペイン産オリーブ油のみを使用しています。リサイクルできる紙パック容器なども評価され、2022年にグッドデザイン賞を受賞しました。

  • 2.トランス脂肪酸1%未満

持続可能な生産を行う
テケンダマ社

テケンダマ社では、持続可能な生産方式をスローガンに掲げ、品質と環境の保持に取り組んでいます。
新たに森を切り拓く開発をやめ、農地を再利用しながらパーム油を生産。また、栽培から精製までの一括管理によって労働環境を整え、地域社会や児童労働、移民の強制労働問題の解消にも貢献しています。

テケンダマ社員

4つのスローガン

  • 森林破壊ゼロ
  • 泥炭地開発ゼロ
  • 森林火災ゼロ
  • 人権侵害ゼロ

157種の生きものが守られている

テケンダマ社は、環境負荷の少ない農園として動植物との共存もめざしています。第三者機関による調査では、鳥類65種、両生類・爬虫類26種、哺乳類14種、植物52種の計157種が確認されました。

農園内の動物

Topic

パルシステムも取得。
パーム油の認証制度「RSPO」

パーム油の生産や使用が存続可能であることなど、7原則40項目で評価する国際的な認証制度です。生産者や小売業などからなる非営利組織によって運営され、持続可能なパーム油の指標になっています。

パルシステム、パルブレッド、テケンダマ社ともに認証を取得しています。

RSPO認証マーク

RSPO認証マーク