水のある豊かさと
くらしを守る
地球を巡る水は、私たちのくらしを支え、自然環境へと還っていきます。パルシステムは、そんな水をできるだけ汚さないくらしを提案し、水が巡る自然環境の保全に取り組んでいます。
水は、山や里など自然環境のなかを循環する資源です。私たちが生活で使う水は、水のひとつの通過点として存在しています。
水をできるだけ汚さずに循環させることは、水とともに生きるたくさんの生きもののいのちを守り、ひいては私たちが食べる農作物、家畜たちを健やかに育むことにもつながっています。
この水を次世代につなぐための、責任ある生活がいま求められています。
Data
かつて日本では、川や湖、海などの汚れは産業排水が主な原因でしたが、法律による規制や企業努力により改善され、現在では生活排水が主な汚れの原因になっています。水環境を守るには、台所や洗濯、風呂など、私たちのくらしからも考えていく必要があります。
パルシステムは、1970年代から「石けん運動[1]」を展開。環境中での分解に優れ、生態系への影響が少ない自然由来の石けんを広めてきました。2023年度からは石けんの利用に加え、産直産地や森林産地と共に、森・里・川・海を通して生物多様性の保全に向けた活動も推進しています。
台所洗剤や洗濯洗剤、素肌に使うものまで、パルシステムはすべて「石けん」です。天然の油脂とアルカリ剤でつくる純石けんを基本に、シンプルな成分にこだわっています。
各地域で、海岸のゴミを拾う「ビーチクリーン」活動を展開しています。海洋プラスチックごみの問題から、海の豊かさ、水環境への意識向上につながっています。
パルシステムは、1970年代から環境保全型農業を推進。各産地で農薬の削減に取り組んでいます。なかでも、有機JAS認証取得面積は2,595ha・全国比で16.8%と拡大[4]。また、田んぼの生きもの調査を毎年行うことで、環境の豊かさを確認しています。
お米のとぎ汁も、水質汚濁の一因に。とぎ汁の出ない無洗米を選ぶことも、水を守るアクションになります。パルシステムは、無洗米の導入期から肌ぬかの粘着性を利用した「BG精米製法」を採用。水をほぼ使用しない製法で、節水と排水の両面から環境負荷を低減しています。
Topic
1970年代、産業排水による公害問題と同時に、合成界面活性剤成分など、生活排水による環境汚染も問題に。自分たちのくらし方が水環境に影響を及ぼすことに衝撃を受けた組合員は、「石けん運動」として生態系に影響の少ない石けんの利用を呼びかけました。
1976年には最初期のオリジナル商品[5]として米ぬか石けん「水ばしょう」が誕生。現在まで続く石けん商品開発の礎となっています。