「安全・安心な食」 をつなぐ品質保証
- 商品の“設計図”
- 仕様書の点検

仕様書とは、「商品がどのような原材料で、どのような製造工程で作られているのか」などを記載した商品の品質を担保するための設計図のようなものです。各種法令に準じているか、パルシステムの基準をクリアしているかを点検しています。
「包材」「商品カタログ表示」に正しい情報が記載されているかも確認しています。
確かな品質の商品をお届けするために点検を行います。
01
原材料
原材料や産地を確認します。
加工食品にどのような原材料が使用されているか、指定した産地の原材料が使用されているか、包材の表示が適切であるか、などを確認します。
02
食品添加物
添加物にはできるだけ頼りません。
日本で認められた食品添加物は約1500物質。パルシステムは食の安全を最優先に考え、使用目的と効果を考慮し、そのうち約24%を商品づくりに不使用としています。商品設計上、どうしても必要な場合でも、最低限の使用量に抑えられるよう努めています。
03
遺伝子組換え
安全性や自然界への影響も危惧される遺伝子組換えに「NO!」といいます。
現在日本で承認され、流通している遺伝子組換え農産物は、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、てん菜、アルファルファ、パパイヤ、からしなの9品目。パルシステムでは、遺伝子組換え技術で生産された作物や、それを原材料に使用した食品は取り扱いません。
仕様書管理課では、原材料を一つひとつチェックし、遺伝子組換え対象原料の区分(不使用、分別管理、不分別)を確認したうえで、商品全体のマークを判定します。このマークはパルシステム独自のもので、組合員の声を反映したり、法改正にともなう表示変更を行ったりと、随時見直しをしてきました。
GMOマーク

04
アレルギー表示
加工食品に含まれるアレルギー物質を表示しています。
法律で表示が定められているアレルギー物質は、特定原材料8品目(義務表示)と、特定原材料に準ずる20品目(推奨表示)の合計28品目。カタログでは、特定原材料8品目+大豆の表示をしています。また、コンタミネーション表示については、製造者の調査に基づいて、主に特定原材料8品目を表示しています。
- コンタミネーションとは、食品を製造する際に、原材料としては使用していないにもかかわらず、意図せずアレルギー物質が混入してしまうこと。
- カタログでのアレルゲン表示について
青果・米・卵・酒・非食品を除くすべての商品のうち、原材料に特定原材料8品目と大豆が含まれている商品には、その品目名を略称で表示しています。
表示品目 | 卵 | 乳 | 小麦 | そば | 落花生 | えび | かに | くるみ | 大豆 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
表示方法 | 卵 | 乳 | 麦 | そ | 落 | え | か | く | 豆 |
05
製造工程
原材料の入荷から商品の出荷までの工程を確認しています。
製造工程を確認することは、重大事故を未然に防ぐことにつながります。また、万が一発生した場合には、迅速に対応するための資料としても活用します。
- 異物除去工程
- 金属を検知する「金属探知機」や硬質物を検知する「X線検査機」、液体の商品では「マグネットフィルター」や「メッシュ(ふるい)」の設定を確認しています。
- 重量確認
- 内容量や重量が適切に管理されているか、「ウェイトチェッカー(自動計量機)」の管理値も確認しています。
- 加熱殺菌や冷却工程
- 食品の衛生管理で重要な製造中の加熱殺菌・冷却工程の温度と時間を確認しています。
- 独自基準での
- 商品検査

パルシステムは自前の「商品検査センター」で、お届けする商品の衛生指標菌や食中毒菌、残留薬剤、残留放射能、アレルギー物質の混入などを検査しています。
検査の種類は「微生物検査」「理化学検査」「放射能検査」「アレルゲン検査」の4つ。それぞれ国の基準をクリアすることはもちろん、項目によってはさらに厳しい自主基準を設けています。
01
食中毒を防ぐ
「微生物検査」
「微生物検査」
命に関わることもある食中毒。その原因の多くは微生物によるもの。
「商品をつくる段階」「届ける段階」のそれぞれを検査することで問題を未然に防ぎます。
商品検査センターでは、「届ける段階」の検査を実施しています。具体的には、「組合員と同じ流通ルートで配達された商品」や届けられる前段階の「パルシステムの物流センターから抜き取った商品」の検査を行います。また、新商品の事前検査も実施しています。
自主基準に適合しなかった商品については、結果をメーカーに伝えて調査と改善をしてもらいます。その後、商品が改善されているかの確認検査も行っています。
また、商品の検査だけではなく、工場の調理器具や機械などの衛生状態を調べる拭き取り検査も実施しています。

02
残留農薬など化学物質をチェック
「理化学検査」
「理化学検査」
理化学検査のメインである残留薬剤検査では、農薬など化学物質約400成分を一斉に検査。
特に産直農産物は、「事前の使用申請の無い農薬が検出されない」「残留農薬は国の基準の1/10以下」という高い目標をクリアするため、結果を産地と共有し、連携して品質向上に取り組んでいます。
このほか、たまごの鮮度を検査する鶏卵鮮度検査や、食中毒の原因となる魚のヒスタミン検査なども行っています。

03
見えないからこそ、不安を取り除く
「放射能検査」
「放射能検査」
原発事故を契機に、『食品からの放射性物質の摂取はできるだけ避けるべき』という考えから、放射性セシウムについて、自主基準を設けて検査をしています。
検査結果を組合員にお知らせするとともに、放射能が検出された場合は産地と協力して低減に取り組んでいます。

04
特定原材料の混入を防ぐ
「アレルゲン検査」
「アレルゲン検査」
アレルギーとの因果関係が明らかになっている原材料のうち、症例の多いものや症状が重篤なもの(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かになど)については、「特定原材料」として法令で食品への表示が義務づけられています。
アレルゲン検査では、アレルギーがある方や乳幼児向けの商品を中心に検査を実施。特定原材料に含まれるタンパク質を測定することによって、アレルギー誘発物質(アレルゲン)が誤って商品に含まれていないかを確認しています。

- 製造現場も直接確認
- 工場点検
工場の衛生管理の確認、プライベートブランド商品の初回製造立会い、商品事故発生時の原因調査と再発防止策の確認を行います。
- 栽培からお届けまで産地と協力
- 産直青果の品質保証

パルシステムで取り扱う産直青果のすべてを、栽培からお届けまでパルシステム連合会・産直事業本部と商品管理本部が連携して管理しています。安全・安心な農作物をおいしく食べられるようにするため、産地と話し合いながら「農薬削減プログラム」に取り組み、独自の基準である「コア・フード」 「エコ・チャレンジ」を設定。栽培計画や履歴の確認も、産地と協力しながら行っています。
2カ所のセンターで1日約40万点を管理
産直青果は、埼玉県の岩槻青果センターと神奈川県の相模青果センターに納入されます。両センター合わせて、1日に約40万点の青果を取り扱っています。そのうち、青果センターで検品から袋詰めまで行う「原料」は約4割、産地で袋詰めされて入荷する「産地パック品」は約6割。品目によっては全量検品を行うなど、人の目で一つひとつ確認しています。
品目ごとに検品する割合を設定
商品は、入荷量に対して5~100%の検品を実施。どの程度検品するかは、前週のお申し出の状況や品質の状況、天候によって毎週定めています。とくに傷みやすい品目では、100%チェックする全量検品を行っています。
全員が同じ基準で作業するための工夫
1センターで1日100人以上が検品や小分け作業に携わります。そのため、選別する基準が写真でわかる資料を作業場に置いたり、作業を始める前に全員で基準を読み合わせたりして、誰が作業しても同じ結果になるような工夫をしています。
産地へのこまめなフィードバック
入荷品の品質不良が多い場合は、都度産地と共有。考えられる要因等を確認し、次回出荷分から改善を要請しています。品質不良が続く場合はさらに産地と連携して、収穫日や出荷時の梱包を変えてもらうなど、状況に合わせた改善をこまめに行っています。
日々のお申し出状況を把握
パルシステム問合せセンター等で受け付けされたお申し出状況を日々把握し、お届け後の品質状況を確認しています。同じ品目でお申し出が3件以上発生した場合は、産地の確認や検品の割合の引き上げなどを行い、お申し出の削減に努めています。
- くらしを支える商品の品質と安全性を判断
- 家庭用品の品質保証

パルシステムでは、企画・供給される家庭用品や生活雑貨の「機能性」と「楽しさ」を大切にし、品質と安全の確保に努め、組合員のくらしをサポートする商品づくりと選定をしています。商品の「安全・安心」を保証するため、機能・性能・使用方法・適正な価格などを事前点検にて検証、確認します。この事前点検で企画可能と判断された商品のみ、取扱いを開始しています。
新規商品の事前点検
新規商品については、国の法律や基準(JIS規格や家庭用品品質表示法、医薬品医療機器等法など)に加え、パルシステム独自の「家庭用品取扱基準」などをもとに、実際に商品を確認しながら、1点1点商品の品質の点検を行っています。
点検時には、使用している原料や材質、製品ごとに適用される基準や安全性、機能性、品質、性能などについて、検査機関での検査結果をもとに細かく確認を行い、仕様やデータなどに問題がないか、パッケージの記載内容に不備などがないかの確認をしています。
企画ごとのカタログのチェック
カタログの商品案内や記載内容にわかりづらい点や間違い、事前点検での指摘事項、表示違反などがないか毎企画チェックを行っています。
化粧品の品質・成分の確認
化粧品検討委員会にて、新規商品の仕様書をもとに全成分、配合率などの確認を行っています。さらに、「家庭用品取扱基準」の化粧品等使用制限成分をもとに、不使用成分や留意成分の使用がないかの確認をしています。
パルシステムでは、お届けした商品に関するご指摘を「お申し出」と呼んでいます。個々のお申し出について、品質管理課にて調査を行い、結果を組合員にお知らせしています。
- 安全・安心な商品を届ける
- 品質保証サイクル
商品にかかわる人々の毎日の小さな積み重ねが、 パルシステムの品質保証を支えています。