パルシステムの農薬削減プログラム

「農薬削減プログラム」は、安心・安全な食料を安定的に確保するための、パルシステムグループの重要な取り組みのひとつです。「パルシステムの商品政策」で定めた「食料・農業政策(PDF)」の以下の実現をめざし、産地生産者と協同で推進していきます。

  • 健全な生産現場の確保と化学肥料・農薬その他化学薬品を使用しない農業を奨励すること
  • 有機栽培などを中心とした安全な農産物づくりを生産者と協同して広げること
  • 持続可能な環境保全型農業を推進し、それによって生み出された農産物を普及すること

1 農薬削減プログラムの進め方

自然にできるだけ負担をかけない農業をめざし、生産地域の自然環境の保全・創造に取り組み、生産物の本来もつ力を尊重しながら農薬削減を推し進めます。
農薬削減プログラムを進めるにあたり、「削減目標農薬」を設定します。「削減目標農薬」には、ADI値(1日許容摂取量)が比較的低い、生態系に悪影響を及ぼす可能性の高い農薬を指定します。そして、指定した農薬の「総量削減」(一律な禁止ではない)を指標として推進します。同時に、指定外の農薬についても可能な限り削減に取り組みます。
農薬に頼らない技術開発、普及を推進することで、農薬総体の使用量削減をめざします。

近産地レタス品質学習会

近郊産地レタス品質学習会

2 産地間の技術交流および生産者の研修

農薬削減の鍵のひとつが、農薬に関わる栽培技術や天然由来資材の導入です。パルシステムでも、先進的な導入を進める産地は少なくありません。そこで、経験の情報交換や技術の相互交流を促す場(「農法研究会」や「みかん会議」「りんご会議」「米産地会議」など)を開催することで、環境保全型農業の理念を共有し全体のレベルアップを推進します。

りんご会議

りんご会議

3 産地での栽培管理

農薬削減を実現するためには、産地内部での農法研究や使用する農薬、肥料の統一など、生産者同士の意思疎通が今まで以上に重要です。
各産地では品目ごとに栽培責任者を選任し、作付け前の適正な栽培計画書(使用農薬、肥料の選定)の立案を行っています。
特にエコ・チャレンジ農産物は、栽培計画に沿った農薬・肥料が使用されていることを、出荷前にも「栽培管理記録」で確認しています。
このようにパルシステムでは独自の栽培管理システムによって、その栽培管理記録から各栽培基準への適合を判定し、確かな商品をお届けする体制を構築しています。

栽培管理説明会

栽培管理説明会

4 残留薬剤検査

農薬を含む残留薬剤検査の目的は、栽培管理が適正に行われているかを確認し、課題が出た場合は改善に結びつけていくことです。
産地とパルシステムが協同で取り組むことにより、栽培内容とお届けする青果や米が適切に管理できているかを確認しています。
年間の検査数は、青果約180品目、米約40品目となっています。

農薬残留検査イメージ

農薬残留検査

5 消費者の理解

農薬削減は、消費者の深い理解なくしては実現できません。
農薬の使用を抑えることは、収穫量の大幅な減少や生産コストの増加のリスクを伴います。そして過重な労働を生産者に課すことにもなりかねません。
そこで、具体的な対策・対応として必要になるのが、外観や大小不揃いなどの食味に影響の少ない出荷基準の緩和、そして価格の見直しです。これは消費者の理解と協力なくしては成立しないものです。パルシステムでは、消費者に対して、農薬削減の意義や環境保全型農業の理解を広めるための取り組みも進めていきます。

沃土会交流

沃土会交流