パーム油問題への取り組み

スナック菓子やカップラーメン、チョコレート、洗剤や化粧品――これらの原料に共通して入っているものが「パーム油」です。「植物油脂」と表示されているため、聞き慣れないかもしれませんが、日本では菜種油の次に多く消費されており、味やにおいがないため、多用途で使われています。

パン、チョコレート、洗剤、シャンプー、リンス等パン、チョコレート、洗剤、シャンプー、リンス等

パーム油の問題点

パーム油は「アブラヤシ」という植物の実からとれる油脂です。液体でも固体でも使えるので、その使いやすさから世界中でもパーム油の消費が急上昇。それにより、インドネシアやマレーシアを中心に熱帯雨林が伐採され、アブラヤシ農園開発が進んでいます。これは生物多様性の喪失という環境問題だけでなく、労働者の権利侵害など社会的な問題にもなっています。
アブラヤシプランテーション(イメージ)

アブラヤシプランテーション(イメージ)

パルシステムでの取り組み

パルシステムはこの問題に取り組むために、持続可能性に配慮した生産をしているパーム油への切り替えの検討を進めています。
グループ会社の(株)パルブレッドで製造しているパルシステムオリジナルのパンから「テケンダマ社(コロンビアサンタマルタ市)」のパーム油を原料としたショートニングへの切り替えを始めています。 ※ショートニングとは、植物油などから製造された加工油脂です。また、パルシステムでは製造時に生じるトランス脂肪酸1%未満のものを使用しています。
白パン(カスタード) 白パン(カスタード)

テケンダマ社のパーム油とは

テケンダマ社は、『エコ・産直バナナ』の産地のひとつである「サマリア社(コロンビア)」のグループ会社です。
コロンビアでは、農産物を栽培していた土地を再利用し、新たな森林を切り崩すことなくパーム農園開発が進みました。なかでもテケンダマ社は、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、森林火災ゼロ、人権侵害ゼロ」のスローガンを掲げ、土づくりから栽培管理、抽出、精製まで一貫生産し、自然の循環を生かした農法を実践しています。
第三者機関による農園内の生物多様性調査を実施。なんと157種(鳥類65種、両生類・爬虫類26種、哺乳類14種、植物52種)もの生きものが確認されています。農園全体の9%は動植物のためのすみかとして残し、動物たちがくらせる環境を保っています。

テケンダマ社のアブラヤシ収穫風景

テケンダマ社のアブラヤシ収穫風景