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掲載日:2015年9月4日

「ネパール大地震支援カンパ 寄贈団体支援活動報告会」を開催
子どもが元気に学べる環境がつくられています
パルシステム連合会は9月2日(水)、東京・新宿区の東新宿本部で「ネパール大地震支援カンパ 寄贈団体支援活動報告会」を開催しました。緊急支援カンパを寄贈した6団体から、現地の状況などが報告され、情報を共有しました。

■緊急性求められる教育支援活動

参加したみなさんと集合写真

 4月25日(土)に発生したネパール大地震を受けて、パルシステムでは組合員のみなさんへ被災者を支援するカンパを呼びかけました。その結果、現金とポイント、パルシステム千葉のだ中根店に設置した募金箱をあわせて合計1億670万315円の募金が寄せられました。ご協力ありがとうございました。

 寄せられたカンパは、現地で支援活動を展開するNGOなど10団体に寄贈しました。生活に必要な物資の提供や、倒壊した学校の再建、親を亡くした子どもたちの支援などで活用されています。

 報告会では、パルシステムグループの役職員や関係者など50名が参加しました。報告は、6団体から担当者を招いて行われ、カンパを活用した支援内容や、現地の状況、今後の復興へ向けた課題などがそれぞれ語られました。いずれも、緊急物資の配布後は、子どもの学習支援について精力的に取り組んでいます。

 参加した各団体および報告概要は、以下の通りです。(画像はいずれも報告団体提供)

■衛生セット配布では使い方も指導
――公益財団法人 日本ユニセフ協会

手洗いにより衛生が守られ子どもの健康維持につながります

 ユニセフでは、震災前から現地で活動していた100人のスタッフも被災し、施設内にテントを張って生活しながら支援活動に従事する職員もいました。空港はじめ交通は寸断されましたが、日常から準備していた備蓄品が役割を果たしています。

 震災直後の緊急物資支援では、食料や衛生キットのほか、栄養不足に陥りやすい子どもたちへ栄養治療食を配布しました。ビタミンAの錠剤は、子どもの失明などを防ぐためのものですが、1粒で半年分含まれており、価格は1円程度です。

 衛生セットは、使用方法を説明しながら配ります。ある被災者は「手洗いを教えてもらったので子どもにきちんと手洗いさせています」と喜んでいました。これらの支援によって、被災者の尊厳が守られています。

 現在は、仮設学習センターや孤児の保護、防災教育などの活動も行っています。モンスーン被害やコレラの流行など、被災者はいまも生活を脅かされており、継続的な支援が必要です。品川のユニセフハウスには、支援セットなどを展示していますので、足を運んでみてください。

■ケアセンターで心の健康も支援
――認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン

ケアセンターでは遊びを通じて心のケアを行いました

 ネパールは戸籍制度が万全でなく、震災前から住民に対して聞き取り調査を行っていたため、直後の物資配布に生かすことができました。現地のみなさんもボランティアとして参加してもらったことも、円滑な活動につながったと考えています。

 物資が行き届いた次に着手したのは、心のケアと学習環境の整備です。21カ所に大型テントでケアセンターを設置し、子どもの一時保護と栄養補完を行いました。小学校3年生くらいまでを対象に、遊びを通して震災で感じたことを話すことで心の負荷を軽減するほか、テントに通うことで「家を離れても大丈夫」と認識してもらうことが主な目的です。

 あわせて行った学習環境整備は、仮設教室の建設と学習セットの配布を行いました。8月に地滑りが頻発し、仮設教室も複数被害を受けていますが、復旧作業が進んでいます。また、教員に対して教材がなくても授業ができるようなトレーニングなどを実施しています。少なくとも1年は支援が必要だと感じています。

■学校の早期再開で復学率上げる
――公益財団法人 プラン・ジャパン

学校に通う子どもの姿が大人の希望に

 停電や交通の遮断で現地スタッフの安否確認に2日かかりましたが、発災翌日には支援活動を開始することができました。支援物資は、3時間かけて受け取りにくる人がいるなど、たいへん喜ばれました。

 ネパールは元々カースト制度が残り、女性や子どもの社会的立場が弱い地域です。政府は、5月末に学校を再開するとしていましたが、ほとんど通える状況にないため、仮設の学校とトイレの建設に力を入れました。

 子どもたちは、学校に通えない時間が長くなるほど復学することが難しくなります。その意味でも、学習支援は衣食住の支援と同じくらい、緊急性が高いのです。子どもが学校に通う姿を見て、大人も「震災前の生活が戻ってきた」と感じるようになります。

 一方で、年配者から将来の希望が持てないとの声も多く聞こえました。ある人は「入学する孫のために用意した品々がすべてだめになった」と嘆いていましたが、子どもが学校に通うことで元気を取り戻したそうです。少しでも早く元の生活が戻るよう、今後も活動を続けます。

■不可触民の集落移転では反対運動も
――認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会

コミュニティFMはネパールでも重要な情報源になっています

 緊急支援物資の配布後は、政府の許可のもと、被災者へクーポンを発行し、必要な物資を地元商店で入手してもらうことにしました。地域の経済復興にも貢献でき、好評を得ています。住宅再建に使用するトタン板など物資の配給は、政府が把握する居住者リストと不法居住者とのミスマッチから、多少の混乱はありましたが、ほぼ順調に支援できました。

 現在は、コミュニティFM放送局や集落ごと移転したダリット(不可触民)の生活再建を支援しています。コミュニティFMは、東日本大震災の経験を踏まえて取り組んでおり、機材の購入を支援したほか、9月からは5カ所でコミュニティスペースを設置します。同時に、現地スタッフに対する「傾聴」の研修を行っています。

 ダリットの生活再建は、土砂崩れで強制的に集落ごと移転された人たちの支援です。受け入れ予定地域の反対運動などもあって難航しましたが、地域へのメリットを丁寧に説明するなどして8月22日に引き渡し式が行われました。

 今後は、個別訪問などを通じて女性へのカウンセリングや、震災で進学をあきらめようとしている子どもたちへの奨学金支給などを行います。ネパールには、青少年への教育対策があまりないので、今後も力を入れていきたいと考えています。

■ボランティア支援で震災経験生かす
――一般社団法人 ピースボート災害ボランテイアセンター

東日本大震災で培ったボランティア向けトレーニングプログラムを活用

 シャプラニールから現地のNGOを紹介してもらい、活動を開始しました。東日本大震災では支援団体間の連携による調整機能がなかったのですが、ネパールは国連などがミーティングを主催して役割分担をしていることが印象的です。

 支援活動は、仮設校舎の建設です。技術者1人を派遣し、建設は地元のみなさんに従事してもらいました。道路状況が悪く、道の途中から手で資材を運ぶケースもあったようです。建設する土地がないため、倒壊した校舎を撤去してからでないと建設できない地域もありました。

 現地で協力したNGOに多くのボランティア志望者が集まったことから、東日本大震災支援でノウハウを蓄積したボランティアリーダー養成のトレーニングプログラムを提供しました。今後は、支援団体のネットワーク化や精神ケアを含めたボランティアプログラムなどを活用し、今後もボランティア活動が続けられるよう、ノウハウや情報を提供していきたいと考えています。

■仮設校舎8棟の建設や学習用品費に
――公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会

仮設校舎の建設は地元に協力を依頼

 ネパールは、初の支援となったため、まずはパートナー探しから開始しました。発災前月の3月に仙台で、国連の防災世界会議が開催されましたが、同時にメンバーとして「アジア防災・災害救援ネットワーク」の会議も開催され、そこで知り合ったネパールのNGOと連携することになりました。

 支援内容は、学校の仮設校舎建設や学習用品の提供といった学習支援と、女性が短期滞在できるシェルターの設置支援が中心です。発災直後に行った初動調査では、訪れた学校の9割が倒壊している状況でした。仮設校舎は、簡易な建設のものも考えられましたが、雨季などを踏まえると、少なくとも3年程度は利用できる校舎が必要と考え、建設を進めています。

 校舎を1棟建設する期間は、3週間ほどです。全体で110棟220教室が完成予定ですが、そのうちパルシステムからの支援を活用し、8棟16教室を建設します。完成後は、教材や絵本などの学習用品を提供する予定です。




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