■グループ全体で17企画を開催

報告会のようす |
パルシステム連合会は、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故で被害にあった地域を支援する活動を続けています。その一環として、組合員のみなさんからカンパを募り、福島県在住のみなさんに遠隔地で一定期間過ごしてもらう保養企画を実施、助成しています。
福島県内には、いまも放射線量の比較的高い地域があり、子どもたちは被ばくの心配のなかでくらしています。チェルノブイリ事故のデータでは、遠隔地で一定期間過ごす保養が健康管理上重要であることが分かっています。
パルシステム連合会と会員生協では2014年、17回のプログラムを企画し、合計465名が参加しました。報告会では、パルシステムグループの役職員が参加し、それぞれの企画についての実施報告を通じ、今後の課題やノウハウを共有しました。
■「支援」「避難」の枠を超えた活動に

5月に行われた山形週末保養 |
報告後、保養受け入れのネットワーク「311受け入れ全国協議会」の佐藤洋共同代表が、山形県内で実施する週末保養の実践事例を中心に報告しました。佐藤さんは「当初、プログラムを詰め込みすぎ、受け入れ側も参加側も疲れて帰っていました」などのエピソードを交えながら「屋外でのバーベキューは、本音を語り合ういい機会です」「子どもは勝手に自分で遊びを見つけるものです」など、実践ならではのアドバイスがありました。
一方で「一時は参加が減少する時期がありました。福島県内に住む人にとって、周辺の目を気にして参加しにくかったり、負担になったりすることもあるようです」と指摘。「山形県内に移住している人の孤独も心配です。今後は『支援』『避難』といった枠を取り払った交流によって、それぞれの心理的な負担を軽減したいと考えています」と話しました。
また、パルシステムの保養活動について「長期的に持続可能な仕組みに、救われる気持ちがしました。全国的にも稀有な存在です」と評価し「保養に対する社会の認知は一定程度向上しましたが、さらに重要性が理解されるよう連携しましょう」と呼びかけました。
最後にパルシステム福島の松田美紀理事があいさつし「身近にも原発事故対応で退職せざるを得なかった人や、震災で経済的に困ってしまった人が大勢います。そうした人たちの存在を忘れず、支援が続けばいいと考えます」と述べました。
●2014年に開催した保養プログラム
開催日 |
企画名称 |
主催(共催)生協 |
参加人数 |
3/23(日)〜3/25(火) |
東京で思いっきりリフレッシュ!パルシステム福島親子保養企画 |
パルシステム東京 |
37 |
3/26(水)〜3/28(金) |
2014春休み♪福島親子リフレッシュプロジェクトin横浜 |
パルシステム神奈川ゆめコープ |
39 |
4/19(土)〜4/20(日) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
18 |
5/17(土)〜5/18(日) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
23 |
6/14(土)〜6/15(日) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
21 |
7/12(土)〜7/13(日) |
新潟保養「のびのび自然学校」 |
パルシステムグループ |
32 |
7/28(月)〜7/30(水) |
ちばの海!緑の森!で夏をおもいっきり体感しよう |
パルシステム千葉 |
36 |
8/5(火)〜8/7(木) |
福島の子どもたち保養in群馬 |
パルシステム群馬 |
35 |
8/9(土)〜8/12(火) |
2014夏休み☆福島こどもリフレッシュキャンプinおだわら&あしがら |
パルシステム神奈川ゆめコープ |
26 |
8/18(月)〜8/20(水) |
コヨットin埼玉(主催:埼玉県生活協同組合連合会) |
パルシステム埼玉(共催) |
22 |
8/18(月)〜8/20(水) |
山梨の夏を満喫しよう |
パルシステム山梨 |
29 |
8/22(金)〜8/24(日) |
第5回親子わくわくピクニック(主催:福島子ども支援基金・親子わくわくピクニック実行委員会) |
パルシステム静岡(共催) |
43 |
9/13(土)〜9/15(月) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
8 |
9/20(土)〜9/21(日) |
新潟保養「つながりの森」 |
パルシステムグループ |
26 |
10/11(土)〜10/13(月) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
16 |
11/8(土)〜11/9(日) |
山形週末保養 |
パルシステムグループ |
30 |
12/6(土)〜12/7(日) |
福島の子ども保養プロジェクトin茨城「星空観察&サッカー教室」 |
パルシステム茨城 |
24 |
合計 |
465 |
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