■おいしい牛乳づくりに欠かせないきれいなタオル

タオルとメッセージを生産者へ手渡しました |
パルシステム連合会は1985年から、酪農生産者へ「タオルを贈る運動」に取り組んでいます。酪農生産者は搾乳する際、牛の乳房を清潔にするため大量のタオルを使用します。
一方、組合員の家には贈答品などで家庭に保管したままのタオルが少なくありません。家庭に眠るタオルという“未利用資源”を酪農の生産に生かそうと呼びかけるのが「タオルを贈る運動」です。
29回目となる今年は5月に2週間の募集を行い、5万8,780枚のタオルと5,101通のメッセージが寄せられました。ご協力ありがとうございました。
■いわて奥中山高原牛乳の生産者が来訪

パルシステムのPB商品「いわて奥中山高原牛乳」 |
9月22日に、贈呈先のひとつであるパルシステムのPB商品「いわて奥中山高原牛乳」の生産者を当会東新宿本部に招き、タオル贈呈式と牛乳学習会・交流会を開催しました。
「いわて奥中山高原牛乳」は岩手県内陸北部の一戸町(いちのへまち)で生産されています。一般的に販売されている牛乳が120〜130℃の熱を加える殺菌方法(UHT:超高温殺菌)に対し、65℃(LTLT:低温殺菌)と低い温度で時間をかけて殺菌する方法を採用しています。牛乳本来のおいしさが味わえる、こうした牛乳を製造するには、細菌数の少ないきれいな生乳が必要です。現在6戸の酪農生産者が、非遺伝子組換え(Non-GMO)飼料のみを用いた「いわて奥中山高原牛乳」をパルシステムに提供しています。
奥中山高原農協乳業株式会社の鈴木義彦品質管理課長からは、非遺伝子組換え(Non-GMO)飼料に限定した生育・搾乳を行ううえでの管理体制や、昨今の円安による飼料高騰の追い打ち、また低温殺菌牛乳の衛生管理を徹底するための工夫などについて説明がありました。
■組合員との交流が牛乳生産の力に
贈呈式では、パルシステム神奈川ゆめコープの天野真紀子組合員理事が、「大ファンです。牛さん
生産者さん、ありがとう」「まわりのみんなにおすすめしています」といった組合員からのメッセージを読み上げ、同・鈴木品質管理課長へ手渡しました。パルシステム茨城の鈴木裕子組合員理事からは、同社・森内正人東京営業所長へタオル目録が贈呈されました。
自身も生産者である同社の澤口松男代表取締役社長は「東日本大震災から3年が経過しましたが、いまも復興に向けて動いています。あのとき味わった絶望的な気持ちはいまも忘れることができません。『タオルを贈る運動』など、こうした組合員との交流を続けていくことが、きずなであり、私たちの支えになっています」と話しました。この日は一戸町の稲葉秀俊産業部長も同席し、自然豊かな一戸町の観光資源や工芸品にも触れ「ぜひ多くの方に足を運んで欲しい」と、交流のさらなる活性化を期待しました。
なお、組合員から寄せられたタオルとメッセージは、パルシステムの牛乳を生産する4つの産直産地(北海道「こんせん72牛乳」、埼玉県・茨城県「酪農家の牛乳」、埼玉県「酪農家の低脂肪牛乳」、岩手県「いわて奥中山低温殺菌牛乳」)へ、交流ツアーなどの際に、順次、寄贈しています。タオルを贈る運動は2015年も5月に実施予定です。

組合員からの熱い思いに、涙する参加者も |

贈られたタオルは質の高い生乳づくりに生かされます |
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