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掲載日:2014年5月9日

フィリピン台風緊急募金活動報告
被害乗り越え生産力向上へ
パルシステムグループでは、2013年11月の台風で大きな被害をもたらしたフィリピン中部の被災したみなさんを支援するため、緊急支援カンパに取り組み、合計2,298万7,973円が寄せられました。贈呈先のひとつから中間報告が届きましたので、紹介します。

物資提供などに活用されています(パナイ島)

■緊急物資と生産再開支援に

 観測史上最大規模の台風30号が2013年11月、フィリピン中部のレイテ島、サマール島などを中心とする広範囲にわたり甚大な被害をもたらしました。

 パルシステムグループでは、11月から12月にかけて組合員のみなさんへ緊急募金を呼びかけ、2,298万7,973円が寄せられました。カンパ金は、各会員生協からそれぞれの支援団体へ寄贈され、復興支援に役立てられています。

 贈呈先のひとつであるAPLA(※)を通じ支援活動を行うオルタートレード社より、支援活動の中間報告が届きましたので紹介します。

※APLA(Alternative People’s Linkage in Asia)は、産直バナナ(バランゴン)の産地のひとつ、フィリピン・ネグロス島で自立支援を続けてきた「日本ネグロス・キャンペーン委員会」が前身のNPOです。日本を含むアジア各地で「農を軸にした地域自立」をめざして活動しています。パルシステムグループも運営に参加しています。


オルター・トレード社(ATC)台風ヨランダ支援活動中間報告

1.被災状況及び緊急支援活動について

1)ボホール島

台風ヨランダの強風によってバナナの葉がちぎれるなど生育に影響が出ています。ただ、台風の進路からは若干ずれていたため、ネグロス島、パナイ島に比べると被害は比較的軽く済みました。

ボホール島では2013年10月15日、マグニチュード7.2の地震が発生し、パッキングセンター、生産者24名、フィールドアシスタント3名の家屋が一部損傷しました。また、電気・水道などのライフライン、道路、橋梁等の交通網も破壊され、長期間にわたって生活に支障がでました。

ATCでは11月中旬、6産地の計244名の生産者家族に食料パック(米5キロ、ヌードル5個、マスコバド糖500g、粥5パック)を配布しました。さらに、1月下旬にパッキングセンターの補修、生産者に対して家屋再建用の資材(セメント、コンクリートブロック、ベニア板、トタン板、釘、鉄棒など)及び浄水器(115セット)を配布しています。


2)パナイ島

台風はレイテ島の後にパナイ島に上陸したため、同島のバナナ生産者は産地の中で最も甚大な被害を受けました。生産者216名の多くの家屋が倒壊し、バナナ、水田、野菜の圃場にも大きな被害が出ました。バランゴンバナナはほとんどが倒伏し、8カ月間は収穫ができない状況です。

11月27日、28日、バナナ産地があるバラサン町、カーレス町、サン・ディオニシオ町にある7地域で計1,215世帯(バナナ生産者216名を含む)に食料パックを配布しました。食料パックの中身は米5キロ、缶詰3缶、ヌードル5パック、マスコバド糖400gです。


3)ネグロス島

北部にあるバナナ産地ではバナナの50-80%が倒伏しましたが、家屋の深刻な被害は出ていません。また、マスコバド糖の原料となるサトウキビにも目立った被害はありませんでした。バナナ、サトウキビ生産者とも野菜やイモ類が被害を免れたため、ATCは生産者に対する食料緊急支援は実施していません。

一方、台風が通過したネグロス島北部海岸沿いの村では行政の支援が届かない地域があったため、ATCではカディス市チェンベリイ村、サガイ市タバアオ村の一般住民約900世帯に11月27日に食料パック(中身はパナイ島と同じです)を配布しました。


2.復興支援活動について

復興支援の目的は、多くの生産者にとって主要な収入源であるバランゴンバナナの生産を回復、改善し、収入向上につなげることです。植え付けるバナナの株、肥料の配布が主な内容です。

1)ボホール島

ボホール島でもバナナの株と肥料の配布が主要なプログラムです。しかし、復興計画を立案する段階でバナナの萎縮病(バンチートップ)をコントロールすることが必須であることが明らかになりました。そこで2月中旬に病害対策を含めバナナの栽培管理に関するセミナーを実施、3月より3産地に対してバナナの株と肥料を配布し、マヤナ村ではバナナの株を生産する苗床を設置しました。


配布された食料パック

バナナの株を生産する苗床を設置しました



2)パナイ島

パナイ島では2015年1月までに収穫再開、そして2015年3月には隔週で400箱の出荷量を目標とする復興計画を立てました。3月末日までに15,000本以上のバナナの株と2,400袋の鶏糞が3つの産地(カーレス町、バラサン町、サン・ジオニシオ町)に配られました。特に多くのバナナの株が必要なカーレスではバランゴンの苗床も設けられました。

倒伏したバナナの茎や葉をたい肥の材料に使うため裁断機(シュレッダー)1台、山刀、鍬などの農機具も生産者に配布されました。また、海岸に近いカーレス町では半農半漁の暮らしをしているバランゴン生産者が、台風ヨランダによって漁船を失ってしまいました。そのため23名の生産者が共同で使用する漁船を1隻購入する計画です。


バナナの苗床

順調に育つバナナ



3)ネグロス島

ほ場の地力回復のため、バナナ生産に効果が高いと言われているミミズたい肥(家畜の糞やバナナの茎など植物の残さをミミズに食べさせてその糞を有機肥料とする)を、生産者たちが自分たちで量産できるように9カ所にたい肥プラントを立ち上げます(このうち、6つのプラントはたい肥製造を始めています)。

残さを細かくする裁断機(シュレッダー)3台、ミミズたい肥の材料となる鶏糞や牛糞、マッドプレス(サトウキビの搾りかす)をATCは各地域に搬入しました。また、生産者も共同で地域内で(水)牛糞や植物など、たい肥の原料を集めています。


住民へ食料パックを配布(カディス市)

ミミズたい肥プラント

【関連情報】

産直バナナ(バランゴン)産地などの被害・支援状況(ATJバナナニュース)




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