■「厳しくとも、よりよい商品を」と呼びかけ

総会のようす |
パルシステム生産者・消費者協議会(パルシステム生消協、152団体、代表幹事・香取政典 佐原農産物供給センター代表理事)は3月6日(木)、東京・千代田区の日経ホールで通常総会とフォーラムを開催しました。会場には、産地の生産者や生協組合員などが集まり、2013年度(12月期)報告や13年度方針・予算案の承認などが行われました。
開会であいさつした香取代表幹事は「2013年度は農薬削減プログラムが14年ぶりに改定し、農薬の使用総量減に取り組みました。リーマンショック、東日本大震災、そして今冬の雪害と、厳しい状況は続いていますが、組合員に喜んでもらえる生産物を作る、ということに全力を傾けましょう」と呼びかけ、総会の成功を期待しました。
■農薬削減、品質保証を強化

鈴木教授の講演でTPPの影響を再確認 |
総会では、13年度報告と14年度計画の承認など全3議案が、賛成多数で可決されました。13年度報告では、「産直連続講座」を全31回開催(組合員など697名が参加)したほか、産直原料を使用した加工品開発の進展、再生可能エネルギーの検討、愛媛県産地にて女性生産者交流会開催などの成果を共有しました。
また、5つの部会(野菜・果樹・米・畜産・鶏卵)から幹事を立て、情報共有と活動の活性化に努めるなど、組織の運営強化を図りました。会場からは「産地交流の成功事例を共有したい」「再生可能エネルギーを積極的に導入してほしい」などの意見が出され、議論を深めました。
14年度は、TPP(環太平洋連携協定)反対の姿勢を貫き、学習会やネットワーク作りを引き続き進めます。また、資源循環型の畜産技術を事例共有し拡大につなげるなど「環境保全型農業」を推進、農薬削減のほか品質向上にも積極的に取り組み、各産地による自主点検の強化をひろげます。
■フォーラムでは鈴木宣弘教授が講演
フォーラムでは、鈴木宣弘・東京大学大学院教授による講演「TPPと農政改革にどう対応するか」が行われました。「TPP交渉が進展すると国産や特定の地域産を強調した表示をすることや、学校給食に地元の食材を使う地産地消奨励策などが、米国を差別するものとして攻撃される可能性もあります。ローカル経済を守る取り組みは厳しくなります」と、影響を具体的に示しました。
そのうえで「農業は『命と環境を守る』ものであり、GDPだけでその価値は計れません。食糧危機や雇用、健康などの観点から、普段のコストが少し高くても、長期的には安くなるくらしを選択すべきです」と話しました。参加者には「生産者と消費者の『つながり』が本当に強い農業の源です。ネットワークの強化は、TPP交渉の大きなブレーキになるでしょう」とエールを送りました。
●生産者と組合員の協同の場
パルシステム生消協は、1990年に設立されました。産直産地の生産者と生協、組合員が対等な立場で話し合い、交流を深めることで産直活動をともに築く場として、各種交流会や学習会の開催、環境保全型農業の技術向上へ向けた情報交換などを行っています。
|